公証人は、公正証書の作成や文書の認証などを通じて、紛争の予防に関わる法律実務の専門家です。一般の検定のように、誰でも同じ試験に出願して合格証を取得する仕組みとは異なり、公募・選考を経て法務大臣が任命します。
公証人になる経路を確認する
日本公証人連合会の説明では、原則として裁判官・検察官・弁護士など法律実務に携わった法曹資格者が公募に応じ、任命されます。このほか、多年法務に携わった経験がある人について、公証人法第13条ノ2による選考を経て任命される経路があります。後者は特任公証人と呼ばれます。
「法律の仕事を10年以上していれば応募できる」と一律に判断せず、職歴の内容、経験年数、証明書類を募集要項の区分に照らします。資格の名前が同じでも、応募条件に該当する経験を証明できるかが重要です。
筆記試験と口述試験を混同しない
過去の具体例として、法務省の令和7年度特任公証人公募では、司法書士や法人の法務実務について通算15年以上とする区分などが示されています。この募集は2026年の選考日程を含む過去の募集であり、現在受付中という意味ではありません。
同案内では、応募者が採用予定人数の倍数を超える場合に短答式の筆記試験を実施するとされています。一方、口述試験は別の選考として案内されています。「応募が多い場合だけ筆記も口述も行う」という読み方はできません。応募予定地、書類、免除の条件、各段階の選考日を別々に確認してください。
手数料収入と手取り収入は異なる
公証人は国の公務を担いますが、国家公務員法上の公務員ではなく、国から給与を受ける仕組みでもありません。法令で定められた手数料などを収入とし、そこから役場の維持費や書記の人件費等を負担します。
したがって、役場の手数料収入をそのまま個人の年収とみなすのは適切ではありません。将来の働き方を検討するときは、仕事の内容に加えて、事務所運営に必要な費用、職務への専念、転居の可能性も確認します。
応募を考える人の職歴整理
編集部の提案として、経歴を「所属・担当期間」「担当した法務」「自分の責任範囲」「証明してもらう相手」の4列にまとめます。勤務年数を足す前に、公募で求められている種類の経験に該当するかを確かめるためです。該当区分が判断できない部分は、結論を自分で補わず、募集案内の問い合わせ先へ確認できる形で残してください。
公証役場を利用したい場合
「公証人になりたい」のではなく、遺言や契約書の作成を相談したい場合は、公証役場の利用案内へ進みます。日本公証人連合会によると、必要な本人確認資料などは、本人か代理人か、個人か法人かによって異なります。
最初の相談には、作成したい文書の目的、関係者、予定時期、すでにある資料をメモにまとめると整理しやすくなります。ネット上の見本を完成書類として持ち込む前に、必要な資料と手続を役場に確認してください。
参照資料と確認日
2026年10月1日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。