特別教育の対象と根拠
この名称は免許や技能講習ではなく、事業者が行う特別教育を指しています。労働安全衛生規則第36条第28号は、特別教育が必要な業務として「エックス線装置又はガンマ線照射装置を取り扱う業務」を挙げています。電離放射線障害防止規則第52条の5は、事業者がこの業務に労働者を就かせるときに特別の教育を行わなければならないと定めています。
対象から除かれるのは、装置の内部にのみ管理区域があり、エックス線やガンマ線の照射中に労働者の身体の全部または一部が内部に入らないよう遮へいされた構造の装置を使う業務です。使っている装置がこの除外に当たるかどうかは、装置の構造を個別に確かめる必要があります。
2026年4月の改正で何が変わったか
e-Govの改正履歴によると、「労働安全衛生規則及び電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令」は2025年10月29日に公布され、第52条の5の改正部分は2026年4月1日に施行されました。改正前の条文は「透過写真撮影業務に係る特別の教育」で、エックス線装置またはガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務が対象でした。改正後は「エックス線装置等を取り扱う業務に係る特別の教育」となり、撮影以外の取扱業務も対象に入りました。旧記事は2025年10月29日を施行日としていましたが、この日は公布日です。
教育する科目
現行の第52条の5が定める科目は次の4つです。
- エックス線装置又はガンマ線照射装置を取り扱う業務に係る作業の方法に関する知識
- エックス線装置又はガンマ線照射装置の構造及び取扱いの方法に関する知識
- 電離放射線の生体に与える影響
- 関係法令
各科目の時間など実施に必要な事項は、厚生労働大臣が定めることになっています。本記事ではその告示の本文を確認できていないため、時間数は受講する講習機関のカリキュラムと告示で確かめてください。
2027年10月からの対象拡大
同じ省令による改正で、2027年10月1日からは第52条の5に新しい項が加わります。労働安全衛生法第42条第3項の作業従事役員等が、労働者と同一の場所でこの業務に就くときは、同じ科目について教育を受けなければなりません。役員自身が装置を扱う事業者は、施行日までに受講計画を立てておく必要があります。
18歳未満の就業制限
年少者労働基準規則第8条は、満18歳に満たない者を就かせてはならない業務として、ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務を挙げています。特別教育を受ける前に、業務に就く人の年齢も確認が必要です。
作業主任者免許との違い
特別教育は業務に就く労働者向けの教育です。これとは別に、医療用などを除くエックス線装置を用いる作業では、事業者がエックス線作業主任者免許を受けた者のうちから管理区域ごとにエックス線作業主任者を選任する必要があります。この免許試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施し、受験資格は不要で、科目はエックス線の管理、関係法令、測定、生体に与える影響の4つです。
教育を手配する人へ
当サイトの提案:事業者の担当者は、最初に社内で使っている装置を一覧にし、遮へい構造の除外に当たるかどうかを装置ごとに判定してください。2026年3月までは対象外だった撮影以外の業務の担当者がいれば、未受講者がいないかを確認します。講習機関を選ぶときは、4科目がすべて含まれているかと修了の記録が残るかを確かめ、2027年10月以降に装置を扱う役員がいれば同時に手配するとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。