EMDR臨床家資格

民間資格 難易度 ★★★

EMDR臨床家資格は、トラウマ治療の手法として国際的に普及するEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)を実施できる臨床家を認定する民間資格です。取得には公式トレーニングの受講と督促(スーパービジョン)時間の履修が必要で、学習時間の目安は80時間前後とされています。心理職・医療職として収入の上積みに直結するというよりも、専門性の差別化や治療の選択肢拡大を目的に取得するケースが中心です。

合格率
勉強時間 目安
80h
受験料
想定年収 目安
450
独自指標 / コスパ指数 ※当サイト独自試算
62
収入A
難易度B
受験料B
算出: 想定年収÷勉強時間÷受験料の独自スコア

EMDR臨床家資格とは?資格の概要

資格区分民間資格
主管EMDR Japan(日本EMDR学会)
試験日年数回(主催団体のトレーニング日程による)
受験資格公認心理師・臨床心理士・精神科医・医師など、精神医療・心理分野の有資格者

勉強時間と学習期間の目安

必要勉強時間(目安・中央値) 約12時間 (幅: 10〜20時間)
学習期間の目安 約24ヶ月

※ ベーシック・コンサルテーション10時間(トレーニング費用込み)、資格申請用コンサルテーション20時間(個人10時間以上)、2年ごとの継続研修12時間以上。これらは別々にカウントされる

教材の選び方と定番の組み合わせ

学習者の間でよく使われている教材の傾向を整理しました。市販テキスト・問題集・通信講座はそれぞれ役割が異なるので、組み合わせ方が重要です。

教材 種別
認定EMDRトレーニング(Weekend1・Weekend2) 資格取得の前提となる公式研修プログラム。各3日間・計6日間。修了証の取得が申請必須条件
認定コンサルタントによるコンサルテーション(個人・グループ) トレーニング修了後に受ける資格取得用コンサルテーション。合計20時間必須(うち個人10時間以上)
ベーシック・コンサルテーション 2013年以降のトレーニング費用に含まれる計10時間のコンサルテーション。Weekend1後5時間・Weekend2後5時間に分割
学会認定継続研修会 資格更新に必要な研修。2年間で12時間以上の受講が要件

推奨される学習順序

学習範囲が広い資格では、どの分野から着手するかで効率が大きく変わります。配点や習得難易度を踏まえた標準的な学習順序は以下の通りです。

  1. 医師免許または臨床心理士等の臨床資格を取得し、2年以上の臨床経験を積む — EMDRトレーニング受講資格そのものがこの条件を前提にしており、満たさないと入口に立てない
  2. 認定EMDRトレーニング(Weekend1・Weekend2)を受講しベーシック・コンサルテーション計10時間を修了 — 修了証が申請必須書類となる。10時間のベーシック・コンサルテーションを受けないと修了証が発行されない
  3. トレーニング修了後に25名以上のクライエントへ50セッション以上のEMDRを実施 — 誓約書として提出が求められる実績要件。脱感作フェーズまで実施したセッションのみカウント対象
  4. 認定コンサルタントから合計20時間のコンサルテーションを受ける — コンサルタントによる証明書が申請書類に必須。個人10時間以上の条件があり計画的な受講が必要
  5. コンサルタントおよび臨床家からの推薦状を取得し申請書類を提出 — 技術面だけでなく倫理性・専門家としての資質まで含めた推薦が求められる

EMDR臨床家資格とは何か・どんな人が対象か

  • 日本EMDR学会が認定する資格で、PTSDをはじめとするトラウマ治療に特化した心理療法EMDRの臨床経験を認証するも
  • 医師免許または臨床心理士等の既存の臨床資格を持ち、かつ2年以上の臨床経験がある専門家のみが申請できる
  • 資格には「臨床家資格」と上位の「コンサルタント資格」の2段階があり、後者は前者の取得後に挑戦できる
  • 認定審査は年3回(1月・5月・9月末)実施され、申請月によっては次の審査期まで待機が必要
  • EMDRは国際的に認められた治療法で、日本国内でも近年急速に臨床的需要が高まっている

EMDR臨床家資格の取得要件一覧(2017年改訂ルール対応)

  • 認定EMDRトレーニング(Weekend1・Weekend2)の修了証を取得しているこ
  • 精神医学または心理学領域の臨床免許・資格を持ち、最低2年間の臨床経験があるこ
  • 25名以上のクライエントに対して50セッション以上のEMDRを実施した経験(脱感作フェーズ到達が1セッションの条件)
  • 認定コンサルタントから合計20時間のコンサルテーションを受け、うち10時間以上は個人コンサルテーションであるこ
  • コンサルタント1名以上・臨床家2名以上からの推薦状を取得するこ
  • 直近2年以内に学会認定継続研修会へ12時間以上参加しているこ

EMDR臨床家資格の取得までのステップと所要期間

  • まず臨床資格(医師・臨床心理士等)の取得と2年以上の実務経験が大前提となる
  • 次に認定EMDRトレーニング(Weekend1→Weekend2)を受講し、各終了後5時間ずつのベーシック・コンサルテーションを修了する
  • トレーニング修了後、実際のクライエントにEMDRを実施しながら50セッションの実績を積み上げる
  • 並行して認定コンサルタントから20時間のコンサルテーションを受ける(複数のコンサルタントからの受講も推奨)
  • 推薦状を取得し申請書類一式を整えた上で、申請費用15,000円とともに事務局へ送付
  • 最低でも資格取得前の臨床経験2年+トレーニング後のセッション蓄積期間が必要となり、総取得期間は数年規模になることが多い

EMDRトレーニング(Weekend1・Weekend2)の内容と費用

  • Weekend1・Weekend2それぞれ3日間、計6日間のトレーニングで構成される
  • 2013年以降はベーシック・コンサルテーション計10時間(Weekend1後5時間・Weekend2後5時間)がトレーニングに組み込まれ必須となった
  • 受講費用はWeekend1・Weekend2それぞれ74,000円(消費税10%込み)で、ベーシック・コンサルテーション費用を含む
  • ベーシック・コンサルテーションは定員9〜10名のグループ形式が基本で、Zoomや電話会議システムで実施
  • 10時間のベーシック・コンサルテーションを修了しないと修了証が発行されない
  • ベーシック・コンサルテーションは資格申請に必要な別途20時間のコンサルテーションには算入されない点に注意

EMDR臨床家資格取得に必要なコンサルテーション20時間の進め方

  • 認定EMDRトレーニング修了後に、認定コンサルタントから合計20時間のコンサルテーションを受ける必要がある
  • 20時間のうち10時間以上は個人コンサルテーションでなければならない。残り10時間以下はグループ(定員8名以下)でも可
  • 同一コンサルタントからのコンサルテーションは10時間以内とされており、複数のコンサルタントへの分散が事実上必要
  • 受講したコンサルテーション時間・個人かグループかを記載した証明書をコンサルタントから取得し申請時に提出する
  • コンサルタント研修生からのコンサルテーションは10時間以内のみ算入可(残りは認定コンサルタント本人から必要)
  • 申請前にコンサルタントの資格が有効期限内であることを事前確認する。失効後に受けたコンサルテーションは無効

EMDR臨床家資格の申請費用・有効期間・更新手続き

  • 新規申請費用は15,000円、更新費用は10,000円。いずれも理由を問わず返金されない
  • 資格有効期間は認定日から2年間で、満了1か月前から約90日間の更新申請期間がある
  • 更新には2年間で12時間以上の学会認定継続研修参加が必要
  • 満了後6か月以内の猶予期間中は通常更新可能だが、それ以降は遅延料5,000円が上乗せされる
  • 満了から1年を超えると資格が失効し、学会ウェブサイトの掲載リストからも除外される
  • 失効から最大5年以内であれば回復申請の経路があるが、段階ごとに追加書類や手続きが必要

EMDR臨床家資格とEMDRコンサルタント資格の違い

  • 臨床家資格はEMDRの基礎的な臨床経験と能力を証明するもの。コンサルタント資格はその上位で指導者資格に相当する
  • コンサルタント資格の申請には臨床家資格取得後に3年以上の経験、75名以上・300セッション以上の実績が必要
  • コンサルタント資格の申請費用は25,000円(更新20,000円)で、臨床家資格より高額
  • 認定コンサルタントは臨床家資格希望者へのコンサルテーション提供や学会認定トレーニングへの関与ができる
  • コンサルタント資格取得を目指す場合は、臨床家資格取得後に「コンサルタント研修生」として指導契約を結び学会登録が必要

EMDR臨床家資格取得でよくある落とし穴と対策

  • ベーシック・コンサルテーション10時間を資格申請用の20時間にカウントしてしまう誤解が起きやすい。両者は別途管理が必要
  • コンサルタントの資格が失効していることに気づかないまま受講すると、そのコンサルテーション時間は申請に使えない
  • EMDRだけで独立した心理臨床ができるという誤解。PTSDへの効果はエビデンスがあるが、臨床全般には他の心理療法との組み合わせが必要
  • セッションカウントの基準を誤解するケース。アセスメントや準備段階のセッションのみでは不可で、脱感作フェーズまで実施したもののみが1セッションとして算入される
  • 複数のコンサルタントへの分散が事実上必要であることを見落とし、同一コンサルタントに10時間以上依頼してしまうと超過分は無効

合格者の声(体験パターンから)

実際に合格した学習者の体験を、典型的なパターンに整理しました。個別の属性ではなく、学習スタイル・期間・行動の類型として参照してください。

典型的な合格パターン

前提資格保有後・EMDR要件積み上げ型

想定プロフィール 医師または臨床心理士等の資格を持ち、日常の臨床業務と並行してEMDR認定要件を計画的に積み上げる臨床家
時間配分 通常の臨床業務の中で、認定EMDRトレーニング修了後のセッション数・コンサルテーション時間・継続研修参加を長期にわたって積み重ねる
中心となる教材 認定EMDRトレーニングプログラム、認定コンサルタントによるコンサルテーション(個人10時間以上・グループ含む計20時間)、学会認定の継続研修会(2年間で12時間以上)
  • 必要セッション数(25人・50回)の見通しが立ちはじめると、日々の臨床の組み立て方が変わってくる場合が多い
  • コンサルテーションを重ねるうちに、実践レベルでのEMDR理解が変化していくと実感しやすい

大学院進学・前提資格取得型

想定プロフィール 臨床心理士等の前提資格取得を目指して大学院受験または資格試験に取り組む学習者
学習期間 3ヶ月前後
時間配分 平日1〜2時間(外出先での集中学習)・休日3時間程度の独学、または予備校を活用した計画的学習
中心となる教材 大学院受験予備校(研究計画書指導含む)、過去問(直近6年分・5周以上の反復)、臨床心理士試験対応テキスト、YouTube専門チャンネル
  • 実務経験が積み上がり、心理士として自分の言葉で語れることが増えてから受験を決意するパターンがある
  • 心理検査分野に絞って集中対策してから、試験全体の手応えが変わってくる

学習中によく直面する壁

  • EMDRのみでは臨床が成立しないという現実 — EMDRはPTSDに対するエビデンスが確立されているが、それ単体では多様な臨床ニーズに対応しきれない。認知療法・行動療法など他の心理療法との組み合わせが不可欠であり、EMDR資格取得後も幅広い研鑽が求められる。
  • 前提資格取得までの段階の多さ — EMDR臨床家資格は医師または臨床心理士等の既存資格が前提となる。臨床心理士取得には指定大学院修了が主なルートであり、大学院合格からEMDR資格申請まで全体の道のりが非常に長くなる。
  • 申請に必要な書類・要件の多さ — セッション数の誓約書・コンサルテーション証明書・推薦状・継続研修参加記録など、申請書類が多岐にわたる。それぞれを個別の証明文書として揃える必要があり、要件の抜け漏れがないか管理し続けることが負担になりやすい。

勉強中・試験当日のリアルな声

申請要件を全部並べてみると、まだ全然足りてないってなってしまう
セッション数が50回に近づいてきたあたりで、ちょっとだけ先が見えてきてほっとしてくる
認定コンサルタントを探し始めたら思ったより見つからなくて、しばらく途方に暮れてしまう
推薦状をお願いしなきゃいけなくて、声をかけるまでに何日もためらってしまう
過去問を5周してやっと満点が出たとき、いけるかもってようやくなってくる
心理検査が出やすいってわかったら、そこだけひたすらやり続けてしまう
EMDRだけじゃ臨床できないってわかってから、やらなきゃいけない範囲の広さにくらくらしてしまう
面接官の表情がずっと硬くて、途中からもう駄目かもって頭をよぎってしまう
「知識に寄りすぎ」って突っ込まれた瞬間、頭が真っ白になって言葉が出なくなってしまう
試験中にお腹が痛くなってトイレに駆け込んで、戻ってきてからも焦りがしばらく消えない
修士論文の内容を面接前に思い出そうとして、細かいところが全然出てこなくて焦ってしまう
書類を一枚揃えるたびに、また何か抜けてないかってそわそわし続けてしまう

勉強中につまずきやすいポイント

要件の多さへの圧倒感
実務経験が積み上がることへの手応え
面接での想定外の動揺
反復学習が実ったときの感触
書類・推薦状手配の煩雑さ
EMDRの適用範囲の限界を知ったときの途方に暮れる感じ
試験当日の身体的トラブルと焦り

よくある失敗・落とし穴

独学や短期合格を目指す際に陥りやすい典型的な失敗パターンです。事前に把握しておくことで回避できます。

  • ベーシック・コンサルテーションを資格取得用の20時間に算入してしまう — トレーニングの一環として受けるベーシック・コンサルテーションは、資格申請に必要な別途20時間のコンサルテーションに充当されない。両者は別カウントであり、混同すると要件を満たせないまま申請してしまうリスクがある
  • 資格が失効したコンサルタントからコンサルテーションを受けてしまう — 資格取得後に更新をしていないコンサルタントが存在する。資格失効後に受けたコンサルテーションは申請に無効となるため、受講前に学会事務局やコンサルタント本人に有効期限を確認する必要がある
  • EMDRだけで心理臨床ができると誤解する — EMDRはPTSDに特化した技法であり、この資格単独では心理臨床の全般的な実践には不十分。認知療法・行動療法などの他の心理療法の習得を並行して進めることが前提とされている

学習スタイルで意見が分かれるポイント

学習方針には人により向き不向きがあります。以下は学習者の間で意見が分かれる代表的なテーマです。

EMDR臨床家資格と臨床心理士の難易度比較の妥当性

  • EMDR臨床家資格は臨床心理士等の資格を既に持つ人が取るものなので、両者を難易度で比べること自体に意味はない
  • 取得に要する期間だけで単純に比べれば、臨床心理士のほうが難しいとも言える

コンサルテーション活動への学会の関与

  • コンサルテーションは本来個人の営利活動であり、学会組織がその後押しをすることには原則論として疑問がある
  • 日本におけるEMDR普及と臨床技術向上のためには、現段階では学会が積極的に関与・支援することが不可欠
📖 主な出典: (取得日: 2026年4月19日)

基本情報・主管組織・受験資格・合格率などの事実情報は上記出典に基づきます。勉強時間・想定年収などは業界の一般的な目安として記載しており、個人差があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

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マサキ
マサキ
編集・分析担当
国家資格・民間資格あわせて1,300超の試験データを管理しながら、合格者ブログ・体験談・SNS投稿を日々読み込んでいます。公式統計だけでは見えない「実際の手応え」「つまずきポイント」を受験生視点で記事に落とし込むのが担当です。

一次情報は各試験実施機関の公式サイトと公的統計を基本とし、体験談ベースの記述は複数記事で裏付けが取れたものだけを採用。資格選びで遠回りや後悔をしない判断材料を提供することを目的にしています。
📌 掲載情報について: 本ページの数値・データは、各試験実施機関の公開情報、官公庁統計、Wikipedia等の一般情報源を元に編集しています。一部に推定値・編集部独自集計を含みます。受験申込・進路選択など重要な意思決定の前には、必ずEMDR Japan(日本EMDR学会)の公式サイトで最新情報をご確認ください。 最終更新: 2026年4月19日