飼育技師資格とは
飼育技師は、公益社団法人日本動物園水族館協会が、飼育技術者の資質と飼育技術の向上、動物園・水族館の発展を目的に実施している資格認定試験です。認定基準は1971年5月の協会総会で定められ、第1回試験は1972年2月に行われて168名が合格しました。出題範囲を見直した1979年度と、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年度を除き、毎年1回実施されています。国家資格ではなく、協会が加盟園館の職員向けに設けている制度です。
2022年度からは、若手職員を対象とする飼育技師(一般)と、中堅職員・管理職を対象とする飼育技師(上級)に分けて実施されています。一般試験には動物飼育と水族飼育の区分があります。協会の資料では、2023年度までの累計合格者は動物飼育でおよそ6,500名、水族飼育でおよそ3,400名、上級でおよそ160名です。
受験資格と試験の内容
| 区分 | 受験資格 | 試験の内容 |
|---|---|---|
| 飼育技師(一般) | 協会加盟の動物園・水族館で2年以上、飼育に関する実務経験があること | 飼育技術者として必要な知識と技能 |
| 飼育技師(上級) | 飼育技師(一般)の資格を持ち、10年以上の実務経験があること | 動物園・水族館を取り巻く社会情勢 |
受験資格が加盟園館での実務経験に結びついているため、動物園や水族館で働く前の学生や一般の人は受験できません。合否は、協会会長を委員長とし外部委員を加えた飼育技師資格認定委員会が判定します。合格者は協会の飼育技師として登録され、資格証明が与えられます。
協会は加盟園館の飼育技術者向けの技術図書を発行しており、一般向けにも販売しています。事業報告によると、主要教材である「新・飼育ハンドブック」は改訂作業が進められており、2026年6月に編集部員を委嘱し、2027年度に原稿を取りまとめる予定です。
2025年度の実施結果と2026年度の見通し
協会の2025年度事業報告書によると、2025年度は9月16日に案内・要綱を告知し、10月1日に一般の試験問題集と試験範囲の資料を掲載、申込は10月1日から15日まで受け付けました。試験は2026年1月15日に行われ、受験者は493名(上級93名、一般動物246名、一般水族154名)でした。合格発表は3月10日で、上級は58名(合格率62%)、一般は動物209名・水族131名(合格率85%)です。事業報告には、4回目となった2025年度の上級試験で、穴埋め以外の形式の設問を作成・出題したことも記されています。上級は2022年度に始まった新しい区分で、出題形式が見直されている途中にあるといえます。一般試験の受験者は、協会が案内とあわせて掲載する試験問題集と試験範囲の資料を確認しておくと、出題の傾向をつかめます。
同じ報告書には「2026年度から受験料改定」と記載されていますが、改定後の金額は協会の公開資料では確認できませんでした。2026年度事業計画書では、上級試験の振り返りと今後の方向性の検討や、申請受付・合否発表・認定書などの電子化の検討が挙げられています。2026年度の日程と受験料は、所属する園館に届く協会の案内で確認してください。
受験を目指す人へ
当サイトの提案:加盟園館に勤めている人は、まず勤務先で飼育実務が2年に達する時期を確認し、協会の案内(2025年度は9月16日に告知)を担当部署から受け取れるよう頼んでおくと、2週間ほどの短い申込期間を逃しにくくなります。これから動物園・水族館で働きたい人にとっては、就職後に目指す資格です。志望先が協会の加盟園館かどうかを、協会サイトの加盟園館検索で確かめておくとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。