ピアノ調律技能検定の位置づけ
技能検定は、働く人の技能を一定の基準で検定し、国として証明する国家検定制度で、職業能力開発促進法に基づいて行われています。都道府県が実施する職種と、民間の指定試験機関が実施する職種があり、厚生労働省の指定試験機関一覧では、ピアノ調律職種の指定試験機関として一般社団法人日本ピアノ調律師協会が載っています。同協会が試験問題の作成と試験の実施を担当しています。
合格者には、1級は厚生労働大臣名、2級と3級は協会会長名の合格証書が交付されます。協会は各級の程度を、1級はグランドピアノとアップライトピアノの調律ができること、2級はアップライトピアノの調律とグランドピアノの一部の調律ができること、3級はアップライトピアノの基本的な調律ができることと説明しています。ここでいう調律には、整調と修理も含まれます。
受検資格
どの級からでも受検できますが、級ごとに受検資格があります。実務経験は、ピアノ調律に関する業務に携わった経験を指します。
| 級 | 学科試験の主な受検資格(いずれか) |
|---|---|
| 3級 | 1年以上の実務経験、大学・専門高校・短大・専修学校・養成機関などの卒業、またはそれらへの在学 |
| 2級 | 2年以上の実務経験、専門高校・短大・専修学校・養成機関などの卒業後1年以上の実務経験、大学卒業、3級合格 |
| 1級 | 7年以上の実務経験、専門高校・短大・専修学校・養成機関などの卒業後5年以上、大学卒業後3年以上、2級合格後2年以上の実務経験 |
学校の卒業・在学で受検資格を得られるのは、その学科にピアノ調律に関する科目が含まれると協会が認めた場合に限られます。養成機関は、ピアノメーカー内の調律師養成機関を指します。
試験の内容と合格基準
学科試験はマークシート方式で、真偽問題25問(各1点)と多肢択一問題25問(各3点)の計100点、試験時間は60分です。択一問題の選択肢は、1級が5つ、2級が4つ、3級が3つです。実技試験を受けるには、先に学科試験に合格する必要があります。合格基準は、学科試験が満点の70%以上、実技試験が減点法で満点の70%以上です。
実技試験は調律、整調、修理の作業試験です。3級はアップライトピアノの調律100分、アクションモデルの整調15分、張弦15分、バットスプリングコード交換10分です。2級はアップライトピアノの調律90分に、グランドピアノアクションモデルの整調などが加わります。1級はグランドピアノとアップライトピアノの調律が各80分で、グランドピアノの張弦やダンパーワイヤー交換も課されます。調律ではピッチ440Hzか442Hzが当日指定され、音叉は持参が必要です。チューナーなどの調律支援機器と電動工具は使えません。
2026年度の日程と手数料
1・2級の学科試験は2026年7月5日に実施済みです。3級は、学科・実技の両方を受ける人の申請期間が8月1日から9月30日までで締め切られており、学科試験は11月1日に宮城県、東京都、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県で行われます。学科試験が免除される人の3級実技試験の申請期間は10月1日から11月30日までで、実技試験は2027年1月から2月に行われます。2・3級の実技会場は宮城県、東京都、静岡県、愛知県、兵庫県、福岡県、1級は静岡県です。
手数料は、学科試験が各級10,000円、実技試験が1級34,500円、2級31,500円、3級28,500円です。3級の実技試験は、2026年4月1日時点で23歳未満の人に減額があり、在職中の人は19,500円、それ以外の人は24,000円になります。学科試験の合格による免除は、合格日の翌日から2年を経過する日の属する年度末まで使えます。
技能士の名称と当サイトの提案
中央職業能力開発協会の受検案内によると、技能検定に合格すると「技能士」と名乗ることができます。技能士は名称独占のため、技能検定の合格者以外は名乗れません。記事名のピアノ調律技能士は、この制度でピアノ調律職種に合格した人を指します。
当サイトの提案:2026年度の3級でこれから申請できるのは、学科試験の免除を受けられる人の実技試験だけです。それ以外の方は2027年度の実施公示を待つことになるため、協会がホームページに掲載する学科試験の範囲と実技試験問題を先に読み込み、実技は3級の作業時間配分(調律100分、整調15分、修理25分)に合わせて、音叉だけで全音域を合わせる練習を重ねておくと準備の目安になります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。