地域調査士と専門地域調査士
地域調査士は、地理学をベースに、地域調査の知識や技術を使って地域の自然現象・社会現象・人文現象を総合的にとらえる専門家として、公益社団法人日本地理学会が認定する資格です。英語名はRegional Analystで、「地域調査士」の名称は商標登録されています。
地域調査士は、地域調査の企画から報告書作成までの全過程を経験し、調査方法や分析手法の妥当性、地域の問題点を指摘できる人を想定しています。主に大学で学会認定の科目を修得した学部学生が取得します。上位の専門地域調査士(Advanced Regional Analyst)は、多様な調査手法を使った企画力、調査の運営管理能力、高度な分析による報告書執筆力を持つ人が対象で、大学院修了者や大学の研究者、調査会社やシンクタンクで地域調査の経験を積んだ人が取得しています。
学会の説明では、地域調査士は国土地理院の測量技術者の認定資格に「地理調査C」として、専門地域調査士は「地理調査A」として登録されています。どちらの資格でも、個人情報保護や人権に関する共通の講習が義務付けられています。
地域調査士になるための条件と手順
地域調査士は試験に合格して得る資格とは仕組みが異なり、要件をそろえて申請し、審査を受けて認定されます。必要なのは、学会が認定した大学の科目の単位を修得したうえで、地域調査に関する卒業論文を提出し、「地域調査士講習」を受講することです。認定科目は大学ごとに一覧が公開されており、大学を卒業した後でも、認定年度内に修得した科目であれば取得できます。
講習は大学3・4年次での受講が望ましいとされていますが、1・2年次からの受講も受け付けています。就職活動に使えるよう、必要単位を修得して講習を受けた人は在学中に「地域調査士認定見込み証明書」の発行を受けられます。認定申請では申請書の郵送に加えてオンラインフォームへの入力も必要で、卒業論文が地域調査に基づくものかどうかの確認も行われます。
申請書は年3回開かれる地域調査士認定委員会で審査され、その後おおむね1か月以内に開かれる学会の常任理事会で審議されます。認定されると認定証と手帳が届き、申請締切から認定証の発行までは約3〜4か月かかります。
専門地域調査士の取得方法
専門地域調査士は、大学院で学会が認定した科目を修得し、「地域調査士講習会」と「専門地域調査士講習会」の両方を受講するのが基本の取得方法です。地域調査士を持っていない人が専門地域調査士を目指す場合も、地域調査士講習の受講が必要です。大学院の科目以外に、実務経験などを判断して認定するルートも地域調査士認定規程細則に設けられています。
費用と2026年度の日程
| 項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 地域調査士講習 受講料 | 13,200円 |
| 専門地域調査士講習 受講料 | 13,200円 |
| 地域調査士 認定手数料 | 6,600円 |
| 専門地域調査士 認定手数料 | 13,200円(地域調査士からのランクアップは6,600円) |
| 地域調査士 認定見込み証明書 | 1,320円 |
受講料と認定手数料は一度振り込むと返金されません。2026年度の講習は、第1回が5月31日に駒澤大学で、専門地域調査士講習を兼ねる第2回が8月2日に日本地図センターで行われました。残りは地域調査士講習で、第3回がオンラインで10月25日(募集期間9月15日〜10月12日)、第4回がオンラインで11月29日(募集期間10月15日〜11月16日)です。申込後3日以内に受講料を振り込まないと受付が取り消されます。
2026年度の地域調査士認定委員会は、第1回が6月21日に終了しており、第2回が11月中旬、第3回が2027年2月中旬に開かれる予定です。
取得を考えている学生へ
当サイトの提案:最初に、在籍する大学が学会の認定科目一覧に載っているか、自分の入学年度の科目が対象になっているかを確認してください。次に卒業論文が地域調査に基づくものになるよう指導教員と相談し、3年次までに講習を受けておくと、卒業後すぐに申請へ進めます。就職活動で使う予定がある場合は、講習修了証の発送に1か月程度かかる点も考えて、認定見込み証明書を申し込む時期を逆算しておくと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。