どの乾燥設備で選任が必要になるか
労働安全衛生法施行令第6条第8号は、作業主任者を選任すべき作業の一つとして、乾燥設備による物の加熱乾燥の作業を挙げています。ここでいう乾燥設備は、熱源を使って火薬類以外の物を加熱乾燥する乾燥室と乾燥器のことです。すべての乾燥設備が対象になるわけでなく、次のどちらかに当たる設備で選任が必要になります。
- 危険物や危険物が発生する乾燥物を扱う設備で、内容積が1立方メートル以上のもの
- それ以外の物を扱う設備で、燃料の最大消費量が固体燃料で毎時10キログラム以上、液体燃料で毎時10リットル以上、気体燃料で毎時1立方メートル以上のもの。電力を熱源とする場合は定格消費電力10キロワット以上のもの
労働安全衛生規則第297条により、事業者はこの作業について、乾燥設備作業主任者技能講習を修了した者のうちから乾燥設備作業主任者を選任しなければなりません。国家試験に合格して免許を受ける形の資格とは異なり、技能講習を受講して修了することが選任の条件です。
作業主任者が現場で担う職務
労働安全衛生規則第298条は、事業者が乾燥設備作業主任者に行わせる職務を4つ定めています。1つ目は、乾燥設備を初めて使うときや、乾燥方法・乾燥物の種類を変えたときに、作業方法を労働者にあらかじめ周知し、その作業を直接指揮することです。2つ目は、乾燥設備と附属設備に不備を見つけたときに、直ちに必要な措置をとることです。3つ目は、設備内部の温度、換気の状態、乾燥物の状態を随時点検し、異常があれば直ちに措置をとることです。4つ目は、乾燥設備のある場所を整理整頓し、可燃性の物をみだりに置かないことです。
条文からわかるとおり、この資格者は設備の運転担当というより、火災や爆発を防ぐための点検と指揮を受け持つ立場にあります。
技能講習の受講資格
労働安全衛生規則別表第六は、乾燥設備作業主任者技能講習を受けられる人を次のように定めています。
- 乾燥設備の取扱いの作業に5年以上従事した経験がある人
- 大学または高等専門学校で理科系統の正規の学科を専攻して卒業し、その後1年以上、乾燥設備の設計、製作、検査または取扱いの作業に従事した人
- 高等学校または中等教育学校で理科系統の正規の学科を専攻して卒業し、その後2年以上、乾燥設備の設計、製作、検査または取扱いの作業に従事した人
- その他厚生労働大臣が定める人
実務経験のない人がすぐに受講できる講習ではありません。経験年数や学歴をどの書類で示すかは、講習機関の案内で確認してください。
講習の科目と修了試験
乾燥設備作業主任者技能講習規程(昭和47年労働省告示第102号)は、学科講習の科目と時間を次のように定めています。
| 講習科目 | 主な範囲 | 時間 |
|---|---|---|
| 乾燥設備及びその附属設備の構造及び取扱い | 乾燥設備の種類と構造、熱源、加熱装置、換気・温度調整・安全装置など | 4時間 |
| 点検整備及び異常時の処置 | 構造部分や附属設備の点検整備、停電時や乾燥物の異常時の応急処置 | 4時間 |
| 乾燥作業の管理 | 熱源と乾燥物の危険性、爆発・火災・中毒の防止、保護具、消火と救急 | 5時間 |
| 関係法令 | 労働安全衛生法、施行令、規則の関係条項 | 2時間 |
合計は15時間です。規程第3条により、技能講習では講習科目について筆記による修了試験が行われます。受講者はおおむね100人以内を1単位として講習を行うことも規程に書かれています。
どこで受講できるか
講習を行うのは登録教習機関です。たとえば東京労働局が公開している作業主任者関係の登録教習機関一覧では、乾燥設備作業主任者の技能講習を行う機関として公益社団法人東京労働基準協会連合会が載っており、登録の有効期間の満了日は令和11年3月30日とされています。受講料や開催日は教習機関ごとに決まるため、この記事では金額を示していません。
受講を決める前の確認
当サイトの提案:最初に、職場の乾燥設備が施行令第6条第8号の規模に当たるかを、設備の内容積と燃料の最大消費量または定格消費電力で確かめてください。対象に当たる場合は、受講予定者の実務年数と学歴を別表第六の区分に当てはめ、どの区分で申し込むかを決めます。そのうえで勤務地の労働局が公開する登録教習機関一覧から講習機関を選び、日程、受講料、証明書類の様式を問い合わせる順で進めると手戻りが少なくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。