「河川技術者」が指す2つの資格
この記事の「河川技術者」は、一般財団法人河川技術者教育振興機構が実施する河川技術者資格を指します。資格は河川維持管理技術者と河川点検士の2種類で、平成30年2月27日付けで国土交通省登録技術者資格に登録されました。登録番号は河川維持管理技術者が第212号、河川点検士が第214号です。旧記事では公的資格としていましたが、機構が認定する民間資格で、国土交通省の技術者資格登録簿に登録されているという位置づけです。
河川点検士は、点検要領などのマニュアルに沿って堤防や河川管理施設、河道の点検を確実に行う技術者を想定しています。河川維持管理技術者は、地域の河川に詳しく、状態の把握と分析、対応案の提案まで担う技術者を想定しています。機構は、両資格は別々の資格で、河川維持管理技術者が河川点検士を含む上位資格ではないと説明しています。
受験資格
| 資格 | 実務経験 | その他の要件 |
|---|---|---|
| 河川点検士 | 河川に関する実務1年以上 | 当該年度(2026年度)の河川維持管理技術講習を修了していること |
| 河川維持管理技術者 | 河川の維持管理に求められる状態把握に関する実務7年以上で、そのうち指導的立場で2年以上、または河川点検士として河川維持管理技術者の指導のもと4年以上 | 河川点検士に登録していること、または河川点検士試験に合格し登録申請の有効期限内であること |
河川点検士の実務には、一級河川・二級河川・準用河川に関する調査、検討、設計、工事、管理が含まれ、河川に設けるダムや砂防設備の業務も該当します。一方、河川維持管理技術者の実務からは、ダムや砂防施設を対象とする業務、データ収集だけを目的とする流量観測や測量は除かれます。指導的立場には、測量・調査業務の主任技術者、設計業務の管理技術者、工事の監理技術者・主任技術者、行政機関の河川関係部局の管理職などが該当します。
試験の方法と合格基準
河川点検士は、書類審査とCBT試験で判定されます。CBT試験は四肢択一式50問を90分で解く形式で、河川に関する知識、関係法令、技術基準、点検、分析・評価、維持管理対策が範囲です。合格基準点は、試験後の資格認定委員会が100点満点中60点以上で決めます。
河川維持管理技術者は、書類審査、論述試験、面接試験の3段階です。論述試験は150分で3問に答えます。必須問題1問はあらかじめ公表される実務経験に関する設問で、解答を書いて当日持参します。選択問題は当日出題される4問から2問を選び、各問1,200字から1,500字程度で記述します。論述は100点満点中70点以上、面接は30分で総合評価がAランクであることが合格の条件です。面接では、申込時に登録した「実務経験のうち代表的な河川」について専門知識が問われます。
2026年度の日程と費用
| 項目 | 河川点検士 | 河川維持管理技術者 |
|---|---|---|
| 申込期間 | 2026年4月1日から4月30日まで(終了) | |
| 講習・試験 | 講習は集合5月14日(東京)またはWEB6月1日から30日、CBT試験は7月1日から31日 | 論述試験7月11日、面接試験10月17日 |
| 合格発表 | 9月30日(発表済み) | 11月13日 |
| 費用(税込) | 受験料8,800円と講習受講料12,100円の計20,900円 | 受験料19,800円 |
論述試験と面接試験は札幌、仙台、さいたま、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡の9会場で行われます。面接の試験地は、登録した代表的な河川が属する地域で決まります。申込は受験専用サイトで行い、支払後の取り消しや返金はできません。
登録と更新
合格しただけでは資格の名称を使えず、機構の登録簿に登録する必要があります。登録申請は合格日から3年以内に行います。登録の有効期限は、合格後最初に来る4月1日から数えて3年後の3月31日までです。更新には所定のCPD単位の取得と、有効期限を迎える年度の河川維持管理技術講習の修了が必要です。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:これから始める人は、まず河川点検士を目指し、毎年4月の申込に向けて河川に関する実務1年以上を証明できる業務経歴を準備してください。河川維持管理技術者に進む場合は、代表的な河川を1つ決め、その河川での業務と自分の立場(管理技術者、主任技術者など)を年単位で書き出しておくと、業務経歴証明書と論述の必須問題の両方に使えます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。