乗馬技能認定の位置づけ
乗馬技能認定は、公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会(全乗振)が定めた全国統一の基準で、騎乗者の技術レベルを認定する制度です。協会は目的として、乗馬を楽しむ人が自分の技術レベルを知り、それに合った目標を立てる手助けをすることを挙げています。国家資格ではなく、乗馬を職業にするための免許でもありません。合格者には級ごとの認定カードが発行され、5級・4級の申請では証明写真程度の大きさの写真を郵送します。
審査は協会に登録している乗馬クラブで受けられるほか、協会の会員である20の地区乗馬倶楽部振興協会が各地区で年1回開く普及乗馬大会でも行われます。協会の案内では、登録クラブは約290件です。
級の体系と主な審査内容
ブリティッシュの基本は5級・4級・3級です。その先は障害3級〜1級、馬場2級・1級、エンデュランス3級〜1級に分かれ、別系統としてウエスタン5級〜1級があります。各級とも実技試験と筆記試験があり、落馬は失権です。
| 級 | 実技の主な内容 | 筆記の主な範囲 |
|---|---|---|
| 5級 | 部班運動で乗馬・下馬、停止と常歩の姿勢、誘導馬について小区画で軽速歩、内方開き手綱 | 馬の品種・性質・表情・毛色や白斑、取り扱い、常歩と軽速歩 |
| 4級 | 巻き乗り・半巻き、速歩での方向変換、停止から速歩までの移行、駈歩の発進と維持 | 部班運動、馬体の名称、三種の歩様、手入れ道具 |
| 3級 | 駈歩の発進・維持、歩度の伸縮、手前の変換、地上横木の通過。3回目の経路違反や馬場埒から四肢が出た場合も失権 | 4級までの範囲に加え、蹄・鞍の部位の名称、馬場運動の図形、基本馬術 |
3級の経路は2022年4月1日から新しいものに変わっています。障害3級は高さ80cm程度の障害を3個以上含む6〜8個程度のコース、障害2級は90cm程度、障害1級は100cm以上の障害を含むコースで審査されます。馬場2級は日本馬術連盟制定の第2課目B、馬場1級は第2課目Cで審査されます。筆記は協会発行の教本「レッツエンジョイライディング」やJEF競技会規程などから出題されます。
受験の条件と費用
障害3級と馬場2級は技能認定3級を持っていることが受験条件で、障害2級・1級、馬場1級はそれぞれ一つ下の級が必要です。エンデュランスは満14歳以上が対象で、3級は技能認定3級かウエスタン3級を持ち、事前にエンデュランス講習会を受講します。3級では20km以上、2級・1級では40km以上のトレーニング・ライドを完走し、心拍数の基準を満たす必要があります。
審査料は各級とも11,000円(税込)です。ただし借馬料や施設利用料は乗馬クラブや地域で異なり、実施時期もクラブや級によって違います。協会は騎乗者の安全のため、一定期間のコースを終えてから受験できる、クラブに入会してから受験できるなど、受験までの手順がクラブごとに異なると説明しています。必要な騎乗回数もクラブや指導者で変わるため、具体的な条件は受験予定のクラブか、普及乗馬大会を主催する地区振興会に問い合わせます。
取得後、日本馬術連盟のB級へ移行する手続きも用意されています。申込書を郵送し、移行には2週間ほどかかります。全日本高等学校馬術連盟の級への移行は同連盟独自の措置で、全乗振では対応していません。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:最初に、通っている(または通う予定の)クラブが協会の登録クラブで技能認定を実施しているかを、協会サイトの乗馬クラブ検索で確かめてください。そのうえで、クラブに受験までの条件(入会の要否、必要なレッスン回数、借馬料など審査料以外の費用)をまとめて聞くと、総額と時期の見通しが立ちます。将来競技会に出たい人は、3級取得後に障害・馬場のどちらへ進むかと、日本馬術連盟B級への移行手続きもあわせて確認しておくと迷いません。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。