海事代理士は、他人の依頼を受け、船舶・船員などに関する申請、届出、登記や、そのための書類作成を行う専門家です。船を操縦するための免許とは役割が異なります。取得を検討するときは、海事分野への関心と、法令に沿って手続を組み立てる仕事の両方から考えましょう。
受験の条件と合格後の登録
国土交通省は、学歴・年齢・性別等による受験制限はないと案内しています。ただし、試験に合格しても、法律上の欠格事由に該当する場合は登録できません。試験の受験条件と、業務に必要な海事代理士登録の条件を分けて確認します。
2026年の手数料と日程
受験手数料は6,800円で、受験願書に収入印紙を貼付します。2026年の出願は8月1〜31日、筆記試験は9月25日で、10月1日時点ではいずれも終了しています。口述は11月24日の予定ですが、受験者が多い場合には一部を25日に実施する可能性も案内されています。
口述は当年の筆記合格者等が対象です。前年の筆記合格による免除を利用する場合も、所定の免除申請が必要になります。試験の案内が届いたら、自分に指定された日時と場所を確認してください。
筆記は20科目、口述は4科目
筆記では憲法・民法・商法の一般法律常識に加え、船舶や船員、海上運送等の海事法令を扱います。口述の対象は、船舶法、船舶安全法、船員法、船舶職員及び小型船舶操縦者法の4科目です。
2026年は4月1日時点で施行されている法令等が解答の基準です。公式の過去問でも、当時の模範解答が法改正によって現在と異なる場合があります。古い問題の答えをそのまま暗記せず、受験年度に適用される規定と照らしてください。
「6割なら必ず筆記合格」ではない
筆記は240点の60%以上が基本ですが、全科目受験者の平均正答率が60%を超えた場合は、その平均正答率以上の得点が必要です。口述は40点の60%以上が基準です。いずれも対象となる全科目を受験した人について合否を判定します。
過去問の点数を記録するときは、総点とともに、解けなかった手続や法令を残します。過去の合格率だけで受かりやすさを決めず、筆記と口述それぞれで説明できない部分を確認することが大切です。
手続を「誰・どこ・いつ・何」で整理する
編集部の学習提案は、一つの手続を「申請する人」「提出先」「期限・時期」「必要書類」の4欄にまとめる方法です。名前の似た制度を同じ表にすると、提出先や対象を混同した箇所を見つけやすくなります。
口述の練習では、その表を見ずに短い言葉で説明し、録音して聞き直してみましょう。用語を知っていても、主語や条件を省くと説明が曖昧になるためです。答えを確認したら、間違えた部分だけを修正してもう一度説明します。
仕事との接点を確かめてから計画する
資格を取得した後にどの手続を扱いたいか、船舶・運送・船員などの分野を分けて調べます。求人や事務所の業務案内を見るときも、資格の有無だけでなく、担当業務、必要な経験、勤務地を比較してください。
独立を検討する場合は、登録費用や事務所費用、相談を受ける経路も別に見積もります。試験合格だけから顧客数や収入を一律に予測することはできないため、自分が扱う仕事を具体化することから始めましょう。
参照資料と確認日
2026年10月1日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。