救命艇手が必要な船と員数
船員法第118条は、国土交通省令で定める船舶の船舶所有者に、乗組員の中から救命艇手を選任するよう求めています。救命艇手規則によると、対象は平水区域以外を航行する旅客船と、旅客船以外で最大搭載人員100人以上の船舶です。救命艇手は、救命艇手適任証書を持っている人でなければなりません。
必要な員数は、搭載するすべての救命艇、端艇、救命いかだに割り当てられる数です。定員40人以下の救命艇には2人、41人から61人には3人、62人から85人には4人、86人以上には5人、端艇と救命いかだには1人を割り当てます。沿海区域を航行区域とする船舶は1人ずつです。国内各港間のみを航海する船舶などでは、膨脹式救命いかだの分に限定救命艇手を含めることができます。
試験と認定の2つのルート
船員法は、国土交通大臣の試験に合格した人と、試験合格者と同等以上の能力があると認定された人に適任証書を交付すると定めています。事務は地方運輸局長が行います。
認定の要件は、18歳以上であること、船員法第83条の健康証明書を持っていること、船舶に6か月以上乗り組んだことに加え、次のいずれかに当てはまることです。海技士(航海・機関・通信・電子通信)の資格を持つ人、大学・高専・高校などで救命艇の操作に関する課程を修めて卒業した人、海技大学校、海技教育機構、海上保安大学校、海上保安学校、水産大学校などを卒業した人、またはこれらと同等以上の能力があると認められる人です。登録講習の修了は限定救命艇手にだけ使える要件で、通常の救命艇手には使えません。
試験は、海員と旅客の招集、救命艇等への誘導と乗艇の指揮、救命設備の操作、救命艇に乗っている間の安全確保など、国土交通大臣が告示で定める知識と技能について行います。受験できるのは、18歳以上で健康証明書を持ち、遠洋・近海区域の船舶などに甲板部で1年以上、それ以外の船舶に甲板部で2年以上、または船舶に3年以上乗り組んだ人です。申請書を受理した地方運輸局長が、試験の期日と場所を申請者に通知します。
申請書類と手数料
認定の申請は、救命艇手資格認定申請書に船員手帳、写真、要件を満たすことを証する書類を添えて、最寄りの地方運輸局長に提出します。関東運輸局の案内では、写真は縦4.5cm、横3.5cm、収入印紙は2,500円分です。船員手帳を出せない場合は、戸籍の謄本などと乗船履歴証明書で代えます。試験を受ける場合の手数料は、当編集部では確認できていません。
関東運輸局は、救命艇手適任証書に有効期限はないと案内しています。平成23年9月30日以前に交付された旧様式の証書も有効で、希望すれば無料で新様式に引き替えられます。
救命艇手の業務
救命艇手規則第11条によると、救命艇手は、食料や航海用具の救命艇への積込み、救命艇の降下、海員と旅客の招集と乗艇の指揮、救命艇の運航の指揮や補佐、救命索発射器や救命浮環の操作、救命設備の整備と管理を行います。職務で法令に違反した場合、国土交通大臣は適任証書の返納を命じることができ、返納の日から1年間は再交付されないことがあります。
膨脹式救命いかだだけを扱う限定救命艇手は、通常の救命艇手と別の資格です。限定救命艇手の適任証書では救命艇に割り当てられないため、救命艇を積む船で働く予定がある人は通常の救命艇手を取得する必要があります。
申請前の確認手順
当サイトの提案:海技士の免状や海事系学校の卒業証明書があるなら、まず認定ルートで要件を満たすかを確認してください。船員手帳で乗船期間と健康証明書の有効期間を確かめ、申請先の地方運輸局に必要書類と収入印紙の額を電話で確認してから提出すると、書類の不備による手戻りを防げます。認定要件に当てはまらない場合は、試験の申請方法を同じ窓口で相談します。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。