専従警戒要員とは
海上交通安全法や港則法に基づく許可や届出が必要な海上工事・作業では、一般の船舶と工事用の船舶の安全を守るために警戒船が配備されることがあります。専従警戒要員は、この警戒船に乗り組み、警戒業務に専念する人を指します。海上保安庁が示す警戒業務実施要領の記載例では、専従警戒要員は警戒業務管理者の指揮の下で、船長と協力して警戒業務を行うとされています。
この役割は、法律で定められた免許ではありません。海上保安庁は平成25年4月1日に施行した「海上における工事作業等の警戒船の配備等に関する指針」に基づき、工事を行う事業者に警戒船の配備を求めています。事業者が作る警戒業務の計画書には、専従警戒要員の氏名、経験年数、業務講習の受講年月日、受講証明書の番号を記入します。このため、現場では講習の受講証明書を持っていることが事実上の条件になっています。
警戒船で行う主な業務
福岡海上保安部の案内は、警戒船業務者の職務として次のような内容を挙げています。
- 工事の内容や航行制限の情報を、通航する船舶に伝える
- 工事に従事する船舶の交通を整理する
- 工事海域に異常に近づく船舶に注意を促す
- 工事区域の標識や工事用船舶に異常がないかを監視し、関係者に通報する
- 工事に伴って起きた事故で、人命の安全確保と被害拡大の防止に必要な措置をとる
- 気象と海象の状況を把握し、運航中止基準に関わる情報を関係者に伝える
業務講習の内容と受講条件
各海上保安部の警戒船講習会には、専従警戒要員向けの業務講習と、警戒業務管理者向けの管理講習があります。業務講習では、警戒船の任務、業務の実施方法、関連法規を学びます。宮崎海上保安部の2026年10月の講習会では、関係法令と警戒業務を合わせて約1時間半の日程です。受講料は無料で、テキスト代もかかりません。
対象者は、原則として今後1年以内に専従警戒要員として警戒船に乗船する予定がある人です。第六管区海上保安本部のよくある質問では、小型船舶操縦免許などの海技免状がなくても受講できると説明しています。一方、15歳未満で義務教育を受けている人や、日本語の読み書きと会話ができない人は、受講できない場合や事前の相談が必要な場合があります。
2026年度の申込方法と日程の例
2026年度から、多くの海上保安部が原則としてオンラインの専用システムでの申込に切り替えました。申込は個人単位で、団体でまとめての申込はできないとする部もあります。
| 開催部署 | 開催日 | 申込期間 | 定員 |
|---|---|---|---|
| 宮崎海上保安部 | 2026年10月21日 | 8月24日〜10月9日 | 40名 |
| 福岡海上保安部 | 2026年11月18日午前 | 8月17日〜10月16日 | 70名 |
受講証明書は講習の終了後に交付されます。2025年4月以降、証明書の公印は廃止されましたが、海上保安庁は効力に変わりはないと説明しています。オンラインで申し込んだ人は、マイページからいつでも証明書を確認して印刷できます。証明書は、交付した部署の管轄にかかわらず全国の警戒船業務で使えます。
第六管区海上保安本部のよくある質問によると、管轄区域の外に住む人や勤める人も受講できますが、管内の在住者や勤務者が優先され、定員に余裕がある場合だけ受け付けます。紙の申請で受講した過去の証明書を再発行する場合も、2026年度からはオンラインでの手続きになります。
受講までの進め方
当サイトの提案:まず勤務先や工事の元請に、いつどの海域の工事で警戒船に乗る予定かを確認してください。次に、その地域を管轄する海上保安部のサイトで講習会の日程と申込期間を探し、締切の前にオンラインで申し込みます。管理者として働く可能性があるなら、業務講習と管理講習を同じ日に受けられる講習会を選ぶと手間が省けます。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。