航空通信士と航空無線通信士の違い
航空通信士は、航空法第24条が定める航空従事者技能証明の資格です。航空法の別表は、業務範囲を航空機に乗り組んで無線設備を操作することと定めています。国土交通大臣が技能証明を行い、学科試験も国土交通省航空局が実施します。
名前が似ている航空無線通信士は、電波法に基づく無線従事者の資格で、試験は総務大臣の指定試験機関である公益財団法人日本無線協会が行います。日本無線協会は、航空無線通信士を航空機の無線設備や航空局の無線設備を操作するための資格と説明しています。旧記事で紹介していた無線工学・法規・英語・電気通信術の科目は、航空無線通信士の試験のものです。航空通信士の学科試験とは科目が異なります。
技能証明を受けるための要件
航空法施行規則第43条により、航空通信士の技能証明は17歳以上でなければ受けられません。さらに航空法第26条第2項と施行規則第43条第2項により、第一級総合無線通信士、第二級総合無線通信士、航空無線通信士のいずれかの無線従事者免許が必要です。技能証明を申請した人は、申請書の提出日から2年以内に無線従事者免許証の写しを国土交通大臣に提出します。
そのため、航空無線通信士などの免許を先に取るか、学科試験と並行して取ることになります。航空無線通信士の試験日程や科目は、日本無線協会の案内で確認してください。
学科試験の科目と時間
施行規則の別表第三が定める学科試験の科目は、次の5つです。
| 科目 | 主な内容 | CBTの試験時間 |
|---|---|---|
| 航空通信 | 航空通信の概要 | 40分 |
| 航空機の構造 | 航空機の構造の概要 | 20分 |
| 航法 | 航法の簡略な概要、人間の能力と限界 | 40分 |
| 航空気象 | 航空気象の簡略な概要 | 40分 |
| 航空法規 | 国内航空法規、国際航空法規の概要 | 40分 |
施行規則の別表第三にある実地試験の科目の表には、航空通信士の項目がありません。航空法関係手数料令の実地試験の手数料にも、航空通信士の区分は設けられていません。独立行政法人航空大学校や指定航空従事者養成施設の課程を修了した人は、修了から1年以内であれば申請により学科試験が免除されます。
申込方法と手数料
学科試験はCBT方式で、2026年度は年6回行われます。まずCBT事業者のサイトで会場と科目を予約し、次に第19号様式の申請書を東京航空局または大阪航空局へ提出します。国の手数料は5,600円で、5科目分のCBT配信費用7,500円が別にかかります。一部の科目だけ合格した場合は、最初の結果通知から1年以内の試験に限り、合格した科目が免除されます。
2026年10月3日時点で申込みができる直近の試験は11月期です。CBTの会場予約は10月22日まで、航空局への申請は10月14日から22日まで、試験期間は11月5日から14日です。その後は2027年1月期と3月期が予定されています。
乗務に必要な航空身体検査証明
航空通信士は航空機に乗り組んで業務を行うので、技能証明とは別に航空身体検査証明が必要です。第一種または第二種の身体検査基準が適用され、有効期間は1年です。
受験前に確認したいこと
当サイトの提案:最初に、自分が必要としているのが航空法の航空通信士なのか、電波法の航空無線通信士なのかを勤務先や訓練先に確認してください。地上で無線業務を行う場合や操縦士が無線を使う場合は、航空無線通信士などの無線従事者免許で足りることがあります。航空通信士の技能証明が必要な場合は、無線従事者免許をいつ取得するかを決め、申請から2年以内に免許証の写しを出せる日程で学科試験を受けると手続きが無理なく進みます。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。