どんな場面で必要になる資格か
労働安全衛生法第14条は、労働災害を防ぐための管理が必要な作業として政令で定めるものについて、事業者が作業主任者を選任し、作業者の指揮などを行わせるよう定めています。作業主任者は、都道府県労働局長の免許を受けた人か、労働局長の登録を受けた機関が行う技能講習を修了した人から選ばれます。
労働安全衛生法施行令第6条第7号は、その対象作業として「動力により駆動されるプレス機械を五台以上有する事業場において行う当該機械による作業」を挙げています。これを受けて労働安全衛生規則第133条は、この作業についてプレス機械作業主任者技能講習を修了した人の中からプレス機械作業主任者を選任するよう事業者に義務づけています。選任義務は事業場単位で判断され、動力プレスが4台以下の事業場は施行令の対象になりません。
プレス機械作業主任者の職務
労働安全衛生規則第134条は、事業者が主任者に行わせる事項として次の4つを定めています。
- プレス機械とその安全装置を点検すること
- プレス機械や安全装置に異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること
- 安全装置に切替えキースイッチを設けたときは、そのキーを保管すること
- 金型の取付け、取外し及び調整の作業を直接指揮すること
金型の交換や調整は、スライドの下に手や体を入れる作業になりやすく、プレスによる挟まれ災害が起きやすい場面です。主任者はこうした作業を直接指揮する立場にあります。
点検と異常時の措置は、プレスの安全装置が正しく働く状態を保つための職務です。切替えキースイッチのキーを主任者が保管するのは、安全装置を無効にする操作を勝手に行えないようにするためです。事業者はこれらの事項を主任者に行わせる義務を負い、主任者は作業者を指揮する立場で日々の安全を確認します。
技能講習の受講資格と修了証
技能講習の受講資格は、プレス機械作業主任者技能講習規程第1条で定められています。愛知労働局の受講資格一覧によると、対象は「プレス機械による作業に5年以上従事した経験を有する者」と「その他厚生労働大臣が定める者」です。経験年数の証明方法は教習機関ごとに案内されるため、申込前に必要書類を確認してください。
労働安全衛生法第76条により、技能講習は学科講習または実技講習で行われ、講習を行った機関は修了者に技能講習修了証を交付します。受講資格や受講手続など実施に必要な事項は厚生労働省令で定められています。講習の日程や受講料は登録教習機関ごとに異なり、全国統一の試験日はありません。
国家資格としての扱い
プレス機械作業主任者は、労働安全衛生法に基づく技能講習の修了によって選任資格を得る仕組みで、当サイトでは国家資格に分類しています。選任されると、事業者はその人に第134条の職務を行わせることになります。
作業主任者の選任は、事業場で行われるプレス作業ごとに必要です。交替勤務などで主任者が不在になる時間帯がある場合は、複数の修了者を確保しておく必要があるか、事業者が労働基準監督署などに確認しておくと安全です。
受講を検討している人へ
当サイトの提案:まず自分の職場の動力プレスの台数を確認し、選任義務の対象かどうかを把握してください。次に、プレス作業の経験が5年以上あるかを勤務先の記録で確かめ、都道府県労働局のホームページに掲載されている登録教習機関の一覧から、通いやすい会場と日程を探します。申込前に、受講料、実務経験証明書の様式、修了試験の有無と内容を教習機関に確認しておくと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。