警備員新任教育は資格ではなく法定の教育です
警備業法第21条第2項は、警備業者に対し、警備員に警備業務を適正に実施させるため、内閣府令で定めるところにより教育を行い、必要な指導と監督をするよう義務づけています。これを受けて警備業法施行規則第38条が教育の種類と時間数を定めており、新たに警備業務に従事させる警備員に行う教育が、一般に新任教育と呼ばれています。
旧記事は新任教育を国家資格として扱い、警備業務検定の学科・実技対策も説明していました。新任教育は警備業者が自社の警備員に対して行う教育で、合格証や資格者証が交付される試験とは別のものです。受講者が自分で申し込んだり、受講料を払ったりする仕組みも法令には定められていません。
新任教育の時間数
施行規則第38条第4項は、新たに警備業務に従事させる警備員への教育時間数を、経歴や保有資格に応じて定めています。主な区分は次のとおりです。
| 警備員の区分 | 教育の種類 | 時間数 |
|---|---|---|
| 下記以外の警備員(一般的な新任者) | 基本教育と業務別教育 | 20時間以上 |
| 最近3年間に同じ区分の警備業務に通算1年以上従事した人 | 基本教育と業務別教育 | 7時間以上 |
| 最近3年間に別区分の警備業務に通算1年以上従事した人、または警察官の職に通算1年以上あった人 | 基本教育と業務別教育 | 13時間以上 |
| 警備業務検定の合格証明書を持ち、その種別以外の警備業務に就く人 | 業務別教育 | 10時間以上 |
合格証明書に係る種別の警備業務に就く人や、警備員指導教育責任者資格者証に係る区分の警備業務に就く人は、新任教育の対象から除かれます。着任後は、現に警備業務に従事している警備員として、毎年度10時間以上の現任教育を受けます。
現任教育の時間数も規則で定められています。警備業務検定の合格証明書を持ちながら別の種別の業務に従事している人などは、業務別教育を毎年度6時間以上受けます。警備員教育は、警備業者が作る教育計画書の計画に基づいて行わなければなりません(施行規則第38条第6項)。
新任教育で学ぶ内容
基本教育では、警備業務実施の基本原則、警備員の資質の向上、警備業法などの関係法令、事故が起きたときの警察機関への連絡と応急の措置、護身用具の使い方などの護身の方法を学びます。応急の措置と護身の方法は、講義と実技訓練の両方で行うと定められています。
業務別教育の内容は、主に従事する警備業務の区分で変わります。施設警備などの1号業務では出入管理や巡回の方法、交通誘導や雑踏警備の2号業務では道路交通関係法令や車両・歩行者の誘導方法を学びます。基本教育と業務別教育は、警備員指導教育責任者などが行います。警備業法第22条は、警備業者に対し、営業所ごと、取り扱う警備業務の区分ごとに、資格者証を持つ警備員指導教育責任者を選任するよう義務づけています。講義は、本人確認や受講状況の確認、質疑応答の機会などの条件を満たせば、オンラインで行うこともできます。
警備員になれない人と、就職前の確認
警備業法第14条は、18歳未満の人と、第3条第1号から第7号に当たる人は警備員になれないと定めています。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人、拘禁刑以上の刑や警備業法違反の罰金刑の執行を終えてから5年を経過しない人、暴力団対策法に基づく命令や指示から3年を経過しない人などが該当します。
当サイトの提案:警備会社の求人に応募するときは、面接で新任教育の日程と時間数、教育期間中の賃金の扱いを確認してください。以前に警備員として働いた経験がある人は、最近3年間の従事期間を伝えると、教育時間数の区分を会社が判断しやすくなります。将来、現場の責任ある立場を目指す場合は、新任教育とは別に、公安委員会が行う警備業務検定や警備員指導教育責任者講習があることも把握しておくと、経験を積む順番を考えられます。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。