臨床催眠資格とは
「臨床催眠資格」は、日本臨床催眠学会(JSCH)が定める認定資格の正式な名称です。学会の資格認定規則では、認定資格を「臨床催眠資格」と、その上位にあたる「臨床催眠指導者資格」の2種類としています。学会は、米国臨床催眠学会(ASCH)の基準を参考に制度を検討し、平成14年度の総会で決めたと説明しています。
この資格は学会が会員に対して認定する民間の資格です。医師法や公認心理師法のような法律で業務や名称が定められた資格ではありません。似た名称の資格を民間のスクールが出していることもあるため、どの団体の資格なのかを確かめることが大切です。
申請できる人
認定は学会の会員であることが条件で、学会を離れると資格を失います。学会会則では、正会員を、医学・歯学・心理学を専攻する大学学部または大学院を卒業した人、または公認心理師か臨床心理士の資格を持つ人で、日本学術会議に登録された他の関連学会の正会員であり、現在臨床活動に従事している人としています。会則は、認定資格を取得できるのは正会員のうち基準を満たした人だと定めています。
認定の基準
- 学会が行う研修または学会が認める催眠研修を、初級・中級あわせて40時間以上履修していること(学生会員の時期の研修は算定しない)
- 学術大会とケースカンファレンスの双方でそれぞれ1回以上、合わせて4回以上発表していること(連名発表は主発表者のみ数える)
- 催眠の臨床経験が2年以上あり、理事2名による証明と推薦を受けていること
研修の内容は学会の「臨床催眠研修過程」に示されています。初級は催眠の定義や歴史、誘導法、自己催眠、倫理など計1,200分、中級は疼痛マネージメントや不安・恐怖障害の催眠治療などを含む計1,200分の構成です。過去の研修履修時間は会員のマイページで確認できます。
費用・更新と指導者資格
定期の試験日はなく、本人が申請してから認定の手続きが始まります。申請書の様式は学会サイトからダウンロードし、学会事務局へ提出します。認定費用は3万円です。資格は5年ごとに更新する必要があり、更新には学会が行うか認める研修を20時間以上履修することが求められ、更新費用は1万円です。
臨床催眠指導者資格は、臨床催眠資格を得たあとに上級研修60時間の履修、さらに4回以上の発表、研修でのファシリテーター担当2回以上などを満たした人が申請できます。認定費用は3万円、更新費用は1万円です。
なお、日本催眠医学心理学会も「認定催眠士」という別の資格を設けています。こちらは3年以上の正会員歴、研究実績と研修実績のポイントなどを求める制度で、臨床催眠資格とは別のものです。
申請の手順と注意点
申請書の様式は、臨床催眠資格、臨床催眠指導者資格、それぞれの更新申請書がMS Word形式で学会サイトに掲載されています。基準を満たした人は様式を印刷して記入し、学会事務局へ提出します。発表の回数は、連名発表の場合は主発表者だけが数えられ、学術大会のシンポジストや講演講師、ケースカンファレンスのコメンテーターは発表者と同じ扱いです。研修で講師として教えた時間も履修時間に数えられます。
ケースカンファレンスで発表したい人は、研修委員に申し出ます。認定を受けた人は学会の認定規約と倫理基準を守る必要があり、違反した場合は倫理委員会との協議によって処分が決まります。
取得を考えている人へ
当サイトの提案:まず学会会則で自分が正会員の条件を満たすかを確認し、入会後は初級と中級の研修を計画的に受講してください。研修と並行して、学術大会やケースカンファレンスでの発表の機会を早めに探しておくと、4回の発表要件を満たしやすくなります。推薦をお願いする理事との関係づくりも必要になるため、事例検討会などに継続して参加し、申請前にマイページで履修時間を確認してから申請書を準備するとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。