「認定セラピスト」は団体ごとの呼び名
「認定セラピスト」という言葉は、国が定めた一つの資格を指すものではありません。医療や心理の専門職向けの研修団体、アロマや整体などのリラクゼーション系の団体、スクールなど、多くの組織が自分たちの基準で認定した人を「認定セラピスト」と呼んでいます。そのため、受験資格、試験、費用、更新の仕組みは団体ごとにまったく違います。
以前のこの記事では、認定セラピストを一つの資格のように扱い、学習期間や費用相場を書いていましたが、根拠を確認できなかったため撤回しました。ここでは公式資料で確認できた例をもとに、名前が同じでも中身が異なることを説明します。
専門職向けの例1 PCIT International認定セラピスト
PCIT(親子相互交流療法)は、子どもの行動の問題に対して親子で取り組む心理療法です。PCIT-Japanは、PCIT Internationalの認定システムの運営に協力しており、認定セラピストを、エビデンスに基づいた治療であるPCITを忠実に実施する技能水準を獲得したことを証明する資格と説明しています。
申請の前提は、精神保健分野で修士号以上(または海外の同等の学位)を持ち、自ら免許を持つ精神保健サービスの提供者であるか、免許を持つ提供者のスーパービジョンの下で働いていることです。そのうえで、40時間のイニシャルワークショップを受け、その後1年間、上級トレーナーから月2回以上のコンサルテーションを受け、2ケース以上(少なくとも1ケースはメインセラピスト)を修了し、スキルレビューと修了テストを経て認定されます。
専門職向けの例2 マッケンジー法の認定セラピスト
国際マッケンジー協会日本支部では、腰や首などの痛みに対するマッケンジー法の教育講習会Part A、B、C、Dをすべて修了し(令和5年からはAdvanced Extremitiesの修了も条件)、医療・健康業務の資格を持つ人が修了認定試験を受けられます。合格すると認定セラピストとして紹介リストに載り、患者の紹介を受けられます。認定を保つには、3年間で10ポイントを取得する条件があります。
リラクゼーション系の認定と法律上の注意
整体、ボディセラピー、リフレクソロジー、アロマなどの分野でも、民間団体がセラピストの資格認定をしています。たとえば東京都の認証を受けた特定非営利活動法人日本セラピスト認定協会は、定款の目的に、各種セラピストを目指す人へのセミナー開催と資格認定を掲げています。こうした認定の基準や試験内容は団体ごとに決められています。
注意したいのは、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の第1条です。医師以外の人が、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅうを仕事として行うには、それぞれの国家資格の免許が必要と定められています。民間団体の認定セラピストの資格を持っていても、この免許の代わりにはなりません。
資格を選ぶときの確認点
同じ「認定セラピスト」でも、医療・心理の専門職が上乗せで取る認定と、未経験から目指せる民間の認定とでは、前提も活かし方も異なります。広告の名称だけで判断せず、認定団体の正式名称と所在地、認定の基準、有効期間と更新条件を確認してください。
当サイトの提案:まず、目指す分野が心理療法、リハビリ、リラクゼーションのどれかを決めます。次に、候補の講座について、認定団体名、受験資格、試験の方法、更新費用を一覧にして比べてください。施術を仕事にするつもりなら、提供予定の施術があん摩・マッサージ・指圧に当たらないかを、開業前に地域の保健所へ相談しておくと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。