建設部門の技術士とは
技術士は、科学技術に関する高度な専門的応用能力を持つ技術者を国が認める資格で、技術部門ごとに試験が行われます。建設部門は、地盤や構造物、都市計画、河川や道路、鉄道、トンネル、施工計画などの計画・設計・施工・維持管理を扱う部門です。21の技術部門の中で受験者が最も多い部門です。
技術士になるまでの流れと受験資格
技術士は技術士法に基づく国家資格で、文部科学省の制度のもと、公益社団法人日本技術士会が試験と登録の事務を行っています。建設部門は21ある技術部門の1つで、技術士の資格は技術部門ごとに与えられます。
最初に第一次試験に合格するか、文部科学大臣が指定した教育課程を修了して、技術士補となる資格を得ます。次に業務経歴を積んで第二次試験の筆記試験と口頭試験に合格し、日本技術士会に登録して技術士になります。第一次試験には年齢・学歴・業務経歴による制限がありません。
第二次試験を受けるには、技術士補となる資格を持ち、申込時点で次のいずれかに当てはまる必要があります。技術士補として登録し通算4年を超えて技術士を補助した人、技術士補となる資格を得た日から監督者のもとで通算4年を超えて業務に従事した人、科学技術に関する計画・研究・設計などの業務に通算7年を超えて従事した人です。7年の期間には、技術士補となる資格を得た日より前の従事期間も算入できます。第二次試験は、第一次試験で選んだ部門に限らず、ほかの技術部門でも受験できます。
建設部門の選択科目と令和7年度の結果
第二次試験では、次の11科目から1つを選びます。表の受験者数と合格者数は、日本技術士会が公表した令和7年度第二次試験の選択科目別の結果です。
| 選択科目 | 主な範囲 | 受験者数 | 合格者数(合格率) |
|---|---|---|---|
| 土質及び基礎 | 土質調査、地盤、土構造、基礎、山留め | 1,143人 | 74人(6.5%) |
| 鋼構造及びコンクリート | 鋼構造、コンクリート構造、複合構造、建設材料 | 2,947人 | 184人(6.2%) |
| 都市及び地方計画 | 国土計画、都市計画、地域計画 | 1,168人 | 124人(10.6%) |
| 河川、砂防及び海岸・海洋 | 治水・利水、砂防、地すべり防止、海岸保全、総合的な土砂管理 | 2,189人 | 223人(10.2%) |
| 港湾及び空港 | 港湾・空港の計画と施設 | 448人 | 46人(10.3%) |
| 電力土木 | 電源開発施設、取放水・水路構造物 | 132人 | 12人(9.1%) |
| 道路 | 道路計画、道路施設・構造物の維持管理・更新 | 2,444人 | 252人(10.3%) |
| 鉄道 | 新幹線鉄道、普通鉄道、特殊鉄道の施設・構造物 | 491人 | 53人(10.8%) |
| トンネル | トンネルと地中構造物の計画・設計・施工・維持管理 | 506人 | 59人(11.7%) |
| 施工計画、施工設備及び積算 | 施工計画・管理、建設ICT、積算、建設マネジメント | 1,912人 | 203人(10.6%) |
| 建設環境 | 建設事業での自然環境・生活環境の保全と創出、環境影響評価 | 714人 | 74人(10.4%) |
令和7年度の建設部門全体では、受験申込者18,299人、受験者14,094人、合格者1,304人で、受験者に対する合格率は9.3%でした。全21部門の合計は受験者24,135人、合格者2,752人、合格率11.4%です。第一次試験の建設部門は、受験者8,905人、合格者2,950人、合格率33.1%でした。第一次試験の専門科目は、上の11科目とほぼ同じ分野から出題されます。
第二次試験の試験方法と令和8年度の日程
総合技術監理部門以外の第二次試験は、筆記試験と口頭試験で行われます。筆記試験は記述式で、技術部門全般にわたる専門知識・応用能力・問題解決能力・課題遂行能力を問う必須科目(2時間)と、選択科目についての専門知識・応用能力(問題Ⅱ)と問題解決能力・課題遂行能力(問題Ⅲ)を問う選択科目(合わせて3時間30分)があります。筆記試験の合格者だけが口頭試験に進み、技術士としての実務能力と取組姿勢を20分程度で試問されます。
| 項目 | 令和8年度第二次試験 |
|---|---|
| 受験申込 | 郵送4月1日〜4月15日、WEB4月1日〜4月14日(締切済み) |
| 筆記試験 | 7月20日(総合技術監理部門以外の技術部門)。実施済み |
| 筆記試験の合格発表 | 11月上旬 |
| 口頭試験 | 12月上旬〜令和9年1月中旬のうち通知される日。会場は東京都 |
| 最終の合格発表 | 令和9年3月中旬 |
| 受験手数料 | 1技術部門につき20,500円(非課税) |
令和8年度の第一次試験は11月22日に行われます。申込受付は6月に締め切られており、試験はマークシート形式の五肢択一式で、基礎科目、適性科目、受験者が選んだ1技術部門の専門科目で構成されます。受験手数料は13,000円で、合格発表は令和9年2月下旬です。
受験を考えている人へ
日本技術士会の案内では、第二次試験に合格した人が技術士となるには、日本技術士会に登録の申請をする必要があります。登録の手続きや必要書類は、日本技術士会の「技術士・技術士補 登録について」のページで案内されています。
当サイトの提案:建設部門は選択科目が11もあるため、まず自分の業務経歴を最もよく説明できる科目を1つに絞ります。次に日本技術士会のサイトで公開されている過去の第二次試験問題を、その科目について数年分読み、どのような形式で問われるかを確かめてください。令和8年度の第二次試験は3月24日から受験申込書の配布が始まり、4月中旬に申込みが締め切られました。令和9年度に受ける人は、春に出る受験申込み案内で日程を確認し、業務経歴の期間が4年または7年を超えているかを勤務先の証明と照らし合わせておきましょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。