チェーンソー作業者とは何を指すか
労働安全衛生法第59条第3項は、危険または有害な業務で厚生労働省令が定めるものに労働者を就かせるとき、事業者がその業務に関する特別の教育を行うよう義務づけています。労働安全衛生規則第36条第8号は、その対象に「チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務」を挙げています。この特別教育を修了した人が、一般に「チェーンソー作業者」と呼ばれています。
これは国家試験に合格して得る免許や技能講習とは別の制度です。合否を決める試験は法令上定められておらず、事業者が所定の科目と時間の教育を行い、受講者や科目の記録を作って3年間保存します。外部の教育機関で受講した場合も、その教育は事業者に代わって行われるものです。
教育の科目と時間
安全衛生特別教育規程第10条は、学科と実技の科目と最低時間を次のように定めています。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 伐木等作業に関する知識(伐倒の方法・合図・退避、かかり木の処理、造材、下肢の切創防止用保護衣等の着用) | 4時間 |
| 学科 | チェーンソーに関する知識(種類・構造・取扱い、点検整備、目立て) | 2時間 |
| 学科 | 振動障害及びその予防に関する知識 | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 伐木等の方法 | 5時間 |
| 実技 | チェーンソーの操作 | 2時間 |
| 実技 | チェーンソーの点検及び整備 | 2時間 |
合計は学科9時間、実技9時間です。東京労働局の一覧にも同じ時間数が載っており、林業・木材製造業労働災害防止協会の支部などが事業者に代わって教育を行っています。受講料や日程は実施機関ごとに異なります。
2019年の規則改正で変わった点
厚生労働省のリーフレットによると、2019年2月12日に公布された労働安全衛生規則の改正で、伐木の直径などで分かれていたチェーンソーによる伐木等の特別教育が一つに統合され、時間数が増えました。特別教育の部分は2020年8月1日から適用されています。改正前の第8号や第8号の2の特別教育を修了していた人は、統合後の科目の一部を省略できます。
同じ改正で、受け口を作るべき立木の範囲の拡大、かかり木の速やかな処理、伐倒する立木の高さの2倍を半径とする範囲への立入禁止、下肢の切創防止用保護衣の着用も定められました。リーフレットは、林業だけでなく土木工事業や造園工事業など、伐木作業を行うすべての業種が対象になると説明しています。
修了後の再教育
すでにこの業務に就いている人に対しては、労働安全衛生法第60条の2に基づく安全衛生教育が努力義務として位置づけられています。厚生労働省は2021年3月17日の通達で、チェーンソーを用いて行う伐木等の業務従事者安全衛生教育のカリキュラムを示し、合計6.5時間としています。
受講前に確認したいこと
当サイトの提案:勤務先で業務としてチェーンソーを使う予定があるなら、まず事業者が社内で教育を行うのか、外部機関の講習を受けるのかを確認してください。外部で受ける場合は、講習の時間割が学科9時間・実技9時間以上になっているかと、修了証が発行されるかを申込前に見ておきます。2020年7月以前の旧区分の教育を受けた人は、修了証の種類を確認し、省略できる科目と追加で受ける科目を実施機関に相談すると、二重受講を避けられます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。