職長教育と安全衛生責任者の関係
職長教育は、労働安全衛生法第60条に基づく法定教育です。政令で定める業種の事業者は、新たに職務に就く職長など、作業中の労働者を直接指導・監督する人に対して教育を行わなければなりません。作業主任者はこの対象から除かれています。
安全衛生責任者は、同法第16条に定められた役割です。統括安全衛生責任者を選任すべき現場で、その事業者以外の請負人のうち自ら仕事を行う者が選任し、統括安全衛生責任者を選任した事業者に通報します。第16条には安全衛生責任者の資格要件や教育時間の定めはありません。
建設業向けには、二つの内容をまとめた講習が開かれています。東京労働局の安全衛生教育一覧では、職長教育が12時間、「建設業における職長・安全衛生責任者教育」が14時間とされ、建設業労働災害防止協会東京支部など多数の団体が実施機関として載っています。
統括安全衛生責任者は、労働安全衛生法第15条により建設業と造船業の元方事業者が、一定人数以上の混在作業の現場で選任します。安全衛生責任者は、その現場で統括安全衛生責任者と下請側をつなぐ連絡役として、労働安全衛生規則第19条に定められた職務を担います。
職長教育が必要な業種
労働安全衛生法施行令第19条は、職長教育を行うべき業種を次のとおり定めています。
- 建設業
- 製造業(たばこ製造業、紡績業と染色整理業を除く繊維工業、衣服その他の繊維製品製造業、セロファン製造業を除く紙加工品製造業を除く)
- 電気業、ガス業
- 自動車整備業、機械修理業
食料品製造業や印刷業なども、現行の条文では除外業種に入っていないため対象になります。自社の業種が該当するかは、この条文で確認するのが確実です。
教育の内容と時間
労働安全衛生規則第40条は、職長教育の事項と最低時間を定めています。作業手順の定め方と労働者の適正な配置の方法が2時間、指導・教育の方法と作業中の監督・指示の方法が2.5時間、危険性又は有害性等の調査とその結果に基づく措置、設備や作業の改善方法が4時間です。さらに、異常時と災害発生時の措置が1.5時間、設備・作業場所の保守管理と労働災害防止への関心の保持・創意工夫を引き出す方法が2時間で、合計12時間になります。十分な知識と技能があると認められる人は、該当する事項を省略できます。
安全衛生責任者の職務
労働安全衛生規則第19条は、安全衛生責任者の職務として、統括安全衛生責任者との連絡、連絡を受けた事項の関係者への伝達と実施の管理、請負人の作業計画と元方の計画との整合の調整、混在作業によって生じる危険の有無の確認、さらに下請に出した場合の安全衛生責任者との連絡調整を挙げています。14時間の講習は職長教育の12時間より2時間長く、その部分の具体的な内容は実施機関のカリキュラムで確認できます。
受講の進め方
当サイトの提案:まず自社の業種が施行令第19条の対象かを確認し、職長として配置される前に教育を済ませる計画を立ててください。建設業で元請の現場に入る予定があるなら、12時間の職長教育よりも14時間の職長・安全衛生責任者教育を選んでおくと、安全衛生責任者に選任されたときにも説明がつきます。申込前に、実施機関の時間割が安衛則第40条の事項を満たしているか、修了証が発行されるかを確認しておくと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。