運転責任者の法令上の位置付け
実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第87条は、発電用原子炉設置者が講じなければならない運転上の措置を定めています。その中で、運転に必要な知識を有する者に運転を行わせること、運転に必要な構成人員がそろっているときでなければ運転を行わせないこと、構成人員のうち運転責任者は、運転に必要な知識、技能及び経験を有し、かつ原子力規制委員会が告示で定める基準に適合した人の中から選任することが求められています。
同じ条文は、基準に適合しているかどうかを判定する方法や実施体制について、あらかじめ原子力規制委員会の確認を受けることも原子炉設置者に求めています。以前のこのページでは、経済産業大臣の定める基準と説明していましたが、現行の規則では原子力規制委員会が基準を定めます。
国家試験とは性格が違う
運転責任者は、国が免状を交付する国家試験の資格とは仕組みが異なります。原子炉設置者が、自社の運転員の中から基準に適合した人を運転責任者として選任する制度です。このため、一般の個人が願書を出して受験する試験は案内されていません。運転責任者になるには、原子力発電所を運転する事業者に勤務し、運転員として経験を積むことが前提になります。
旧記事には、運転経験の年数や同型炉での経験期間など、具体的な受験資格が書かれていました。これらは告示で定める基準に関わる内容ですが、今回の確認では告示の本文を入手できなかったため掲載を見合わせています。
原子力安全推進協会による判定
一般社団法人原子力安全推進協会は、原子炉設置者から判定機関の指定を受け、運転責任者の判定業務を行っています。判定は、原子力発電所運転責任者の判定に係る規程(JEAC4804)と原子炉設置者の合否判定規程に整合する形で、独立性と公平性を保って行うとされています。協会は年4回の試験・講習の実施計画と判定結果を公表しています。
| 令和8年度 | 場所 | 筆記・口答試験 | 講習 | 申請書受付期間 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 東京 | 5月13日 | 5月14日・15日 | 3月13日〜4月13日 |
| 第2回 | 大阪 | 8月19日 | 8月20日・21日 | 6月19日〜7月17日 |
| 第3回 | 東京 | 11月11日 | 11月12日・13日 | 9月11日〜10月9日 |
| 第4回 | 大阪 | 2027年2月3日 | 2月4日・5日 | 12月3日〜2027年1月4日 |
合格証の交付は、各回とも試験と同じ月の中旬から下旬が目安とされています。令和7年度の判定結果は、沸騰水型と加圧水型の別に、新規受験者と更新者に分けて合格者の受付番号が公表されています。更新者の区分があることから、一度判定を受けた人にも更新の手続きがあることが分かります。更新の周期は、今回確認した資料には書かれていません。同じ回の中でも判定日が複数に分かれており、令和7年度第3回は2025年11月13日から2026年2月25日にかけて判定が行われました。
この仕事に関心がある人へ
当サイトの提案:運転責任者を目指す道筋は、原子力発電所を持つ事業者に入社し、運転員として社内の教育訓練を受けることから始まります。応募を考える段階では、各事業者の採用情報で運転部門の配属や育成の仕組みを確認してください。制度の根拠は、e-Gov法令検索で実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の第87条を読むと確認できます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。