「化学責任者」が指す3種類の免状
高圧ガス保安法第29条は、高圧ガス製造保安責任者免状の種類として、甲種化学責任者免状、乙種化学責任者免状、丙種化学責任者免状を定めています。この記事の「化学責任者」はこの3種類をまとめた呼び方です。丙種化学の試験はさらに、液化石油ガスを対象とする丙種化学(液石)と、特別試験科目による丙種化学(特別)の2つに分かれています。免状は試験に合格した人が交付申請をして受け取ります。
高圧ガス保安協会(KHK)の説明によると、甲種化学は石油化学コンビナートなどの製造事業所で保安を統括する人向けの資格で、ガスの種類と施設の規模に制限がありません。乙種化学は、保安技術管理者に選任される場合に限り、処理能力が1日100万立方メートル未満の事業所という制限がつきます。丙種化学(液石)はLPガス充てん事業所やLPガススタンドでの業務を主な対象とし、保安主任者や保安係員に選任できるのは原則としてLPガスの施設です。丙種化学(特別)は保安係員にだけ選任できます。どの免状でも、選任されて職務を行うには、法令で定められた経験も必要です。
2026年度の国家試験の内容と手数料
令和8年度(2026年度)の試験日は2026年11月8日(日)です。受験申請は8月17日から9月2日まで受け付けられ、すでに締め切られています。受験案内書では、年齢、学歴、性別、経験などに関係なく誰でも受験できるとされています。
| 種類 | 法令 | 保安管理技術 | 学識 | 受験手数料(電子申請) |
|---|---|---|---|---|
| 甲種化学 | 択一式20問 | 択一式15問 | 記述式6問 | 17,300円 |
| 乙種化学 | 択一式20問 | 択一式15問 | 択一式15問 | 11,100円 |
| 丙種化学(液石) | 択一式20問 | 択一式20問 | 択一式20問 | 9,800円 |
| 丙種化学(特別) | 択一式20問 | 択一式20問 | 択一式20問 | 9,800円 |
試験時間は法令が60分、保安管理技術が90分、学識が120分です。合格基準は各科目とも満点の60パーセント程度とされています。書面申請の手数料は電子申請より500円高く設定されています。学識の出題範囲は、甲種が高度の応用化学、乙種が通常の応用化学、丙種が基礎的な応用化学と機械工学です。
甲種化学は経済産業大臣の免状に係る試験で、試験地は北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の9か所です。乙種と丙種は都道府県知事の試験で、各都道府県に試験地があります。2026年度の合格者番号は、知事試験が12月18日、大臣試験が2027年1月26日にKHKのホームページで公表される予定です。
講習で保安管理技術と学識を免除する方法
KHKの高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍以外)を修了し、講習の検定試験に合格すると、国家試験は法令だけの受験になります。講習は法令・保安管理技術・学識を各7時間、計21時間学ぶ内容で、検定試験は保安管理技術と学識の2科目です。受講受検料は甲種化学が28,100円、乙種化学と丙種化学が24,200円で、テキスト代は含まれません。講習を申し込んでも国家試験の申込は別に必要です。
令和8年度の講習予定表では、甲種化学(5月31日検定)と乙種化学の第1回(6月14日検定)は終了しています。乙種化学の第2回はインターネット申込期間が2026年11月10日から24日まで、オンライン講習の視聴期間が2027年1月29日から2月18日まで、検定日が2月28日です。丙種化学(特別)の第2回も申込期間は同じで、検定日は3月7日です。
合格後の免状申請と選任後の講習
合格しただけでは免状は届きません。合格者には合否通知書と一緒に免状交付申請書が送られ、長崎県で知事試験を受けた人を除き、KHKが申請窓口になります。事業所で保安主任者や保安係員に選任された人は、法定の講習を受ける必要があります。初回は免状交付日の属する年度の翌年度開始日から3年以内、2回目以降は前回受講年度の翌年度開始日から5年以内が期限です。
申込前に確認したいこと
甲種・乙種・丙種のどれを選ぶかは、勤務先の事業所の規模や扱うガスと、選任される予定の職務で決まります。全科目を国家試験で受けるか、講習で2科目を免除するかによって、準備の時期と費用も変わります。
当サイトの提案:まず勤務先の保安担当者に、選任予定の職務と必要な免状の種類を確認してください。次の国家試験は2027年度になるため、講習ルートを使う場合は11月10日から始まる乙種・丙種の第2回講習の申込期間と、2027年度の国家試験の受付時期を続けて確認する順番がおすすめです。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。