鉛作業主任者が必要になる作業
労働安全衛生法施行令第6条は、作業主任者を選任すべき作業を列挙しています。その第19号が、施行令別表第4の第1号から第10号までに掲げる鉛業務に係る作業です。遠隔操作によって行う隔離室での作業は対象から外れています。
鉛中毒予防規則第33条は、この作業について事業者が鉛作業主任者技能講習を修了した者のうちから鉛作業主任者を選任しなければならないと定めています。中央労働災害防止協会の作業主任者一覧でも、鉛作業主任者は技能講習による資格として整理されています。資格を取るために国家試験を受ける仕組みはなく、講習の修了が要件になります。
名前が似ている四アルキル鉛等作業主任者は、中央労働災害防止協会の一覧で別の作業主任者として掲載されています。四アルキル鉛等業務を行う職場では、鉛作業主任者とは別の選任要件を確認する必要があります。
鉛中毒予防規則の附則には、昭和49年9月30日までの間に限り衛生管理者の免許を受けた者から鉛作業主任者を選任できるとした経過措置がありました。この期限はすでに過ぎているため、現在は衛生管理者の免許だけでは選任できず、第33条のとおり技能講習の修了が必要です。この記事では、e-Gov法令検索で2026年10月1日施行分までの改正を反映した現行の規則を確認しています。
選任された人が行う職務
鉛中毒予防規則第34条は、事業者が鉛作業主任者に行わせる事項を次のように定めています。
- 鉛業務に従事する労働者の身体ができるだけ鉛等や焼結鉱等で汚染されないように労働者を指揮すること
- 労働者の身体が著しく汚染されたことを発見したときに、速やかに汚染を除去させること
- 局所排気装置、プッシュプル型換気装置、全体換気装置、排気筒、除じん装置を毎週1回以上点検すること
- 労働衛生保護具等の使用状況を監視すること
- 施行令別表第4第9号の鉛業務に労働者が従事するときに、同規則第42条第1項の措置が講じられていることを確認すること
換気設備の週1回以上の点検が明記されているため、選任後は点検記録の付け方や保護具の管理方法を職場で決めておく必要があります。
技能講習で学ぶ科目
鉛中毒予防規則第60条によると、鉛作業主任者技能講習は学科講習によって行います。科目は鉛に係る次の4つです。
| 科目 | 内容の範囲 |
|---|---|
| 健康障害及びその予防措置に関する知識 | 鉛による健康障害と予防措置 |
| 作業環境の改善方法に関する知識 | 換気設備などによる作業環境の改善 |
| 保護具に関する知識 | 労働衛生保護具の選び方と使い方 |
| 関係法令 | 労働安全衛生法、鉛中毒予防規則など |
講習の実施に必要な細目は厚生労働大臣が定めることになっています。講習時間、修了試験の方法、受講料は、この記事の確認範囲では登録教習機関ごとの案内を確認できていません。
講習の申込先と日程の調べ方
技能講習は、都道府県労働局長の登録を受けた登録教習機関が開催します。全国共通の試験日や統一の受講料はありません。神奈川労働局は令和8年6月1日現在の登録講習・教習等機関一覧表を公開しており、講習の種類ごとにどの機関が登録を受けているかを確認できる形式になっています。ほかの都道府県でも、労働局の案内から登録教習機関を探せます。
旧記事にあった年齢要件や「東京は月2回」といった開催頻度は、一次資料で確認できなかったため削除しました。開催の有無や頻度は機関と時期によって変わるため、受講を検討する時点で機関に直接確認してください。
受講前の確認と当サイトの提案
鉛作業主任者は事業者が選任する役割です。講習を修了しても、職場で選任されて初めて第34条の職務を担うことになります。
当サイトの提案:まず自社の作業が施行令別表第4の鉛業務に当たるかを、作業内容と設備を書き出して労働基準監督署や社内の衛生管理者と確認してください。該当する場合は、勤務地の労働局が公開する登録教習機関の一覧から鉛作業主任者技能講習を行う機関を選び、講習時間、受講料、受講資格、申込締切を機関の募集要項で確かめてから申し込む順番が確実です。選任後は第34条の職務に沿って、換気設備の週1回点検と保護具の確認を記録する様式を用意しておくと運用しやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。