技術士化学部門の位置づけ
技術士は技術士法に基づく国家資格で、試験は機械から原子力・放射線、総合技術監理までの21技術部門ごとに行われます。化学部門はその一つで、無機・有機の化学製品、高分子、化学プロセスといった分野で、計画・研究・設計・分析・評価などを担う技術者を対象にしています。
資格を得る流れは二段階です。まず第一次試験に合格するか、文部科学大臣が指定した教育課程を修了して技術士補となる資格を得ます。その後に所定の業務経歴を積んで第二次試験を受け、筆記と口頭の両方に合格します。合格しただけでは名乗れず、日本技術士会に登録の申請をして初めて「技術士」になります。第一次試験合格者が「技術士補」として登録する場合も、同じく日本技術士会への申請が必要です。
第一次試験の内容と令和8年度日程
第一次試験は年齢・学歴・業務経歴による制限がなく、誰でも受験できます。試験はマークシート形式の五肢択一式で、科学技術全般の基礎科目、技術士法第4章の義務に関する適性科目、選んだ技術部門の専門科目の3科目です。化学部門の専門科目は、セラミックス及び無機化学製品、有機化学製品、燃料及び潤滑油、高分子製品、化学装置及び設備が範囲です。
| 項目 | 令和8年度第一次試験 |
|---|---|
| 受験申込 | 郵送6月10日〜24日、WEB6月10日〜23日(いずれも終了) |
| 試験日 | 11月22日(日) |
| 合格発表 | 令和9年2月下旬 |
| 受験手数料 | 13,000円(非課税) |
令和7年度の第一次試験では、化学部門の受験者191人のうち100人が合格し、受験者に対する合格率は52.4%でした。
第二次試験の受験資格と選択科目
第二次試験を受けるには、技術士補となる資格を持ち、次のいずれかに当てはまる必要があります。技術士補として通算4年を超えて技術士を補助した期間、技術士補となる資格を得た日から監督者のもとで科学技術の業務に従事した期間が通算4年超、または科学技術に関する計画・研究・設計・分析・試験・評価などの業務に従事した期間が通算7年超です。大学院での研究経歴は2年を限度に期間を短縮できます。
化学部門の選択科目は「無機化学及びセラミックス」「有機化学及び燃料」「高分子化学」「化学プロセス」の4つです。有機化学及び燃料には化学物質監理や毒性学、分析化学も含まれ、化学プロセスは蒸留、抽出、晶析、膜分離などの装置とプロセスの計画・設計を扱います。筆記試験は必須科目と選択科目がいずれも記述式で、筆記合格者だけが口頭試験に進みます。
令和8年度は4月に申込を受け付け、筆記試験を7月20日に実施しました。筆記試験の合格発表は11月上旬、口頭試験は12月上旬から令和9年1月中旬のうち受験者に通知される日で、会場は東京都です。口頭試験の合格発表は令和9年3月中旬です。受験手数料は1技術部門につき20,500円です。令和7年度の化学部門の第二次試験は受験者153人、合格者21人、合格率13.7%でした。
第二次試験の解答時間・配点と口頭試験
文部科学省の科学技術・学術審議会技術士分科会試験部会が定めた実施大綱によると、総合技術監理部門を除く技術部門の筆記試験は、必須科目(技術部門全般の専門知識・応用能力・問題解決能力・課題遂行能力)が解答時間2時間・40点満点、選択科目が解答時間3時間30分・60点満点です。選択科目は、専門知識と応用能力を問う問題と、問題解決能力と課題遂行能力を問う問題に30点ずつ配点されます。
口頭試験は筆記試験の合格者だけを対象に、記述式の答案と業務経歴を踏まえて行われ、試問時間は20分です。試問事項は「技術士としての実務能力」としてマネジメント・評価(30点)とコミュニケーション・リーダーシップ(30点)、「技術士としての取組姿勢」として技術者倫理(20点)と継続研さん(20点)の4項目です。筆記試験は北海道、宮城、東京、神奈川、新潟、石川、愛知、大阪、広島、香川、福岡、沖縄の12都道府県で行われ、口頭試験は東京都で行われます。
次の受験に向けた確認の順番
当サイトの提案:これから化学部門を目指す人は、まず自分の最終学歴の課程が文部科学大臣指定の教育課程に当たるかを日本技術士会の一覧で確かめ、当たらなければ令和9年度の第一次試験を受ける計画を立ててください。すでに技術士補となる資格がある人は、業務経歴のうち化学分野の計画・設計・分析などに当たる期間を年単位で書き出し、4年超または7年超の要件を満たす年度を確認します。選択科目は4つの範囲を読み比べ、実務で扱ってきた製品やプロセスに最も近いものを選ぶと、筆記と口頭の両方で経歴との整合を説明しやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。