アニマルセラピストという呼び名の範囲
アニマルセラピストは、犬などの動物と人がふれあう活動を通じて、高齢者や子どもなどの心身を支える仕事を指す呼び名として使われています。2026年10月4日時点で、「アニマルセラピスト」という名称そのものの資格を認定する団体の公式要項は確認できませんでした。国家資格や公的資格として定められたものもありません。
以前の記事にあった海外での公的な位置づけや、国内の需要が広がるという見通しは、裏付けとなる一次資料を確認できなかったため撤回しました。ここでは、公式資料で受験の仕組みを確認できた関連資格を比較のために紹介します。どちらもアニマルセラピストと同じ資格ではありません。
比較例1 JADP認定アニマルセラピーインストラクター
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する民間資格です。協会の説明では、動物が人の心に与える心理的・生理的な効果を理解し、医療行為を伴わない動物介在活動(AAA)と動物介在教育(AAE)を中心に活動する人のための資格とされています。対象者として、発達障害のある子ども、高齢者、不安や孤独を抱える人が挙げられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 協会指定の認定教育機関で全カリキュラムを修了した人 |
| 試験 | 修了後、随時、在宅で受験 |
| 学習範囲 | AAA・AAEの基礎知識、動物が人に与える効果、安全・衛生・倫理に基づく活動のルールと動物の選定・管理、対象者との信頼関係づくりとセッションの組み立てなど |
| 受験料 | 5,600円(税込) |
| 合格基準 | 得点率70%以上。結果は答案受付後、約1か月で送付 |
比較例2 セラピードッグトレーナー
一般社団法人日本ペット技能検定協会が認定する民間資格です。動物とのふれあいを通じて人の生活の質の向上を目指す動物介在活動を理解し、その意図に沿ったドッグトレーニングでセラピーの実施を支える人のための資格と説明されています。協会指定のカリキュラムを修了した人が対象で、合格点は200点中140点、ライセンス交付料は14,000円(税込)です。ヒューマンアカデミー通信講座では、ドッグトレーナー講座(標準4か月、講座運営会社の案内による通常価格125,400円)など複数の講座で取得できる資格の一つとして案内されています。
比較例1は人への関わり方、比較例2は活動に参加する犬のトレーニングに重点がある点が違います。
活動を事業にするときの登録制度
環境省の案内では、動物を見せる業や動物とのふれあいを提供する業は第一種動物取扱業の「展示」に当たり、ふれあいを目的とするアニマルセラピー業者もその例に挙げられています。営利目的で行う場合は、営業前に都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受け、事業所に動物取扱責任者を置く必要があります。施設に動物を連れて訪問する活動を仕事にする場合も、自治体に登録の要否を確認してください。
講座を選ぶ前の確認点
アニマルセラピー関連の講座は多く、修了後に得られる資格の名称と認定団体は講座ごとに異なります。申込み前には、資格の正式名称、認定団体の正式名称、受験資格と受験料、合格基準を確認してください。
当サイトの提案:まず、自分が関わりたいのが高齢者施設での活動なのか、学校での教育活動なのか、犬のトレーニングなのかを決めてください。そのうえで、その目的に合う学習範囲を持つ資格を、認定団体のサイトで要項を確認しながら選ぶと失敗が減ります。愛犬と一緒に活動したい場合は、犬が人の多い場所で落ち着いていられるかを事前に確かめ、受け入れ先の施設が求める条件を問い合わせておくと、資格を取ったあとの活動につなげやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。