愛玩動物救命士の位置づけ
愛玩動物救命士は、一般社団法人全日本動物専門教育協会(SAE)が認定する民間資格です。協会自身が国家資格ではないと説明しています。協会の講座案内によると、犬や猫に起こり得る事故や体調の急変時に、動物病院へ行くまでの間に飼い主や現場のスタッフが取るべき行動と判断力を身につける通信認定資格です。
この資格は治療の技術を身につけるものではありません。協会は、状況を正しく把握し、やってよいこととやってはいけないことを見極めて、獣医師へ適切につなぐ力を養うことを目的に挙げています。医療行為は行えないことも明記されています。協会が定めるペット防災教育講座のひとつでもあり、災害時の備えにも使える内容とされています。
学ぶ内容と教材
カリキュラムは大きく四つに分かれます。犬と猫の体の仕組み、健康チェック、救急救命法、応急処置と搬送。ワクチン接種、人獣共通感染症、病気の早期発見のポイントと部位別の病気。季節ごとの病気、防災準備、避難所で気をつけたい感染症。ゴールデン・レトリーバーやダックスフンド、アメリカンショートヘアなど犬種別・猫種別に注意が必要な病気です。
教材は、愛玩動物救命士テキスト、副教材「犬種別・猫種別の病気について」、副教材「動物に関する法律を知る」、フォローアップ問題集の各1冊と、認定試験問題、解答用紙、返信用封筒で構成されています。協会は教材構成を予告なく変えることがあると断っています。講座は獣医師が監修しています。
試験の受け方と費用
認定試験は教材に同封されていて、受講者が自宅で解答し、返信用封筒で送ります。会場へ出向く試験日はありません。合格者には修了証が発行されます。
受講料の定価は60,000円(税・送料込)で、教材一式、認定試験問題、採点料、送料、消費税が含まれます。支払いはクレジットカードか、申込後7日以内の銀行振込です。資格認定書、顔写真入り認定証、勤務先に掲示できる証明書とステッカー、名刺は希望者に別料金で発行されます。協会はこの資格を永久資格としていて、更新料はかかりません。
動物取扱責任者の要件との関係
全日本動物専門教育協会のライセンス案内では、動物取扱責任者の選任要件にあたる試験で取得できるライセンスとして「トリマー」「家庭犬訓練士」「動物介在福祉士」「動物臨床助士」が挙げられています。愛玩動物救命士はこの4種には含まれず、学校の授業に導入しやすいライセンスの区分に並んでいます。東京都保健医療局が公開する資格一覧(2026年10月4日確認)でも、同協会の資格として掲載されているのは家庭犬訓練士とトリマーで、愛玩動物救命士は見当たりませんでした。
ペットショップやペットホテルの開業で動物取扱責任者になる目的なら、愛玩動物救命士だけでは要件を満たせない可能性が高いため、自治体の一覧に載っている資格を別に検討する必要があります。
どんな人に向いているか
協会は、ペットシッターやペットホテルでの安全管理、トリミング時の体調チェック、飼い主への応急対応の助言などでの活用を紹介しています。飼い主が自宅で学ぶ講座としても案内されています。
当サイトの提案:申し込む前に、協会から無料のパンフレットを取り寄せて受講期間の目安を確かめ、申込時点の受講料を申込画面で確認してください。仕事で使う予定なら、勤務先が求めるのは救命の知識なのか、動物取扱責任者の要件なのかを先に聞いておくと、受講する講座を選び間違えずに済みます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。