ボイラー・タービン主任技術者の位置づけ
電気事業法第44条第1項は、主任技術者免状の種類として、第一種から第三種までの電気主任技術者免状、第一種・第二種のダム水路主任技術者免状、第一種・第二種のボイラー・タービン主任技術者免状を定めています。経済産業省の資格案内は、ボイラー・タービン主任技術者を、発電用ボイラー、蒸気タービン、ガスタービン、燃料電池発電所などの工事・維持・運用に係る保安の監督を行う者と説明しています。
電気主任技術者には試験がありますが、ボイラー・タービン主任技術者には試験がありません。同法第44条第2項は、経済産業省令で定める学歴または資格と実務経験を持つ人に経済産業大臣が免状を交付すると定めており、経済産業省も「試験は実施しておらず、申請により学歴及び実務の経験に応じてなされます」と案内しています。
第1種と第2種の監督範囲
電気事業法施行規則第56条は、免状の種類ごとに保安の監督ができる範囲を定めています。第一種は、火力設備(小型の汽力・ガスタービン設備で告示されるものや内燃力を原動力とするものなどを除く)、原子力設備、改質器の最高使用圧力が98キロパスカル以上の燃料電池設備の工事・維持・運用が対象です。第二種は、これらのうち圧力5,880キロパスカル以上の汽力設備を除く火力設備、圧力5,880キロパスカル未満の原子力設備、同じ条件の燃料電池設備が対象です。いずれも電気的設備に係るものは除かれ、その部分は電気主任技術者の範囲になります。
免状交付に必要な実務経験
経済産業省の案内では、第1種は下表の(1)〜(3)をすべて、第2種は(4)と(5)をともに満たす必要があります。(1)は卒業後にボイラーまたは蒸気タービンの工事・維持・運用に関わった年数、(2)はそのうち発電用設備の年数、(3)はさらにそのうち圧力5,880キロパスカル以上の発電用設備の年数です。(4)はボイラー、蒸気タービン、ガスタービン、燃料電池設備(最高使用圧力98キロパスカル以上)に関わった年数、(5)はそのうち発電用設備の年数です。
| 学歴・資格 | 第1種 (1) | (2) | (3) | 第2種 (4) | (5) |
|---|---|---|---|---|---|
| 大学(機械工学)卒 | 6年 | 6年 | 3年 | 3年 | 3年 |
| 大学卒 | 10年 | 6年 | 3年 | 5年 | 3年 |
| 短大・高専(機械工学)卒 | 8年 | 8年 | 4年 | 4年 | 4年 |
| 短大・高専卒 | 12年 | 8年 | 4年 | 6年 | 4年 |
| 高校(機械工学)卒 | 10年 | 10年 | 5年 | 5年 | 5年 |
| 高校卒 | 14年 | 10年 | 5年 | 7年 | 5年 |
| 中学卒 | 20年 | 15年 | 10年 | 12年 | 10年 |
| 一級海技士(機関)、特級ボイラー技士、エネルギー管理士(熱)、技術士(機械部門)の第二次試験合格者 | 6年 | 6年 | 3年 | 3年 | 3年 |
資格保有者の年数は、その資格を取得した後から数えます。年数の細かな定義は「電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令」第1条の表に定められています。
申請先と手続き
申請は随時受け付けで、窓口は最寄りの産業保安監督部の電力安全課です。経済産業省の資格案内には、北海道、関東東北(東北支部を含む)、中部近畿(近畿支部を含む)、中国四国(四国支部を含む)、九州の各産業保安監督部電力安全課と、北陸産業保安監督署、那覇産業保安監督事務所の連絡先が載っています。申請書類の様式や手数料は、窓口で最新のものを確認してください。
電気事業法第44条第3項により、免状の返納を命じられて1年を経過しない人や、同法に違反して罰金以上の刑を受けて2年を経過しない人には、免状が交付されないことがあります。
申請前の準備
旧記事は試験対策の教材や学習順序を紹介していましたが、この資格は書類審査で交付されるため、必要なのは実務経験の整理と証明です。
当サイトの提案:まず卒業した学科が機械工学に関する学科に当たるかを確認し、上の表で自分の区分を決めてください。次に、勤務先ごとに担当した設備の種類(ボイラー、蒸気タービン、ガスタービン、燃料電池)、発電用かどうか、圧力5,880キロパスカル以上かどうかを分けて年数を数えます。そのうえで、在籍した事業者に実務経験の証明を依頼し、提出前に住所地を管轄する産業保安監督部電力安全課へ書類の様式を問い合わせると手戻りを防げます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。