選任が必要になる作業
労働安全衛生法施行令第6条第4号は、小型ボイラーを除くボイラーの取扱いの作業を、作業主任者の選任が必要な作業にしています。これを受けて、ボイラー及び圧力容器安全規則第24条が、ボイラー取扱作業主任者を誰の中から選ぶかを定めています。ボイラー取扱作業主任者は試験の名前ではなく、免許や技能講習を持つ人の中から事業者が選ぶ職務上の立場です。
伝熱面積の合計で決まる必要資格
| 取り扱うボイラー | 選任できる人 |
|---|---|
| 伝熱面積の合計が500平方メートル以上(貫流ボイラーのみの場合を除く) | 特級ボイラー技士 |
| 伝熱面積の合計が25平方メートル以上500平方メートル未満(貫流ボイラーのみで500平方メートル以上の場合を含む) | 特級または一級ボイラー技士 |
| 伝熱面積の合計が25平方メートル未満 | 特級・一級・二級ボイラー技士 |
| 施行令第20条第5号イからニのボイラーのみ | 特級・一級・二級ボイラー技士またはボイラー取扱技能講習修了者 |
合計の計算には第24条第2項の決まりがあります。貫流ボイラーは伝熱面積に10分の1を掛け、火気以外の高温ガスを加熱に使うボイラーは2分の1を掛けて数えます。施行令第20条第5号イからニのボイラーは算入しません。厚生労働大臣が定める自動制御装置を備えたボイラーは、最大の伝熱面積を持つ1基を除いて算入しないことができます。複数のボイラーを持つ事業場では、この算定によって必要な級が下がる場合があります。
作業主任者の職務
同規則第25条は、ボイラー取扱作業主任者に行わせる事項として10項目を定めています。圧力・水位・燃焼状態の監視、急激な負荷変動を与えない運転、最高使用圧力を超えないこと、安全弁の機能の保持、1日1回以上の水面測定装置の点検、適宜の吹出し、給水装置の機能の保持、低水位燃焼しゃ断装置や火炎検出装置などの自動制御装置の点検と調整、異状を認めたときの措置、ばい煙の測定濃度と異常の有無の記録です。所轄労働基準監督署長の認定を受けた自動制御装置を備えたボイラーでは、水面測定装置の点検を3日に1回以上とすることができます。
各級の免許試験と受験資格
免許試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が実施し、学科試験の手数料は各試験とも8,800円です。二級ボイラー技士試験は受験資格がありません。一級ボイラー技士試験は、二級ボイラー技士免許を受けた人のほか、ボイラーに関する学科を修めた卒業者で1年以上の実地修習を経た人、エネルギー管理士(熱)免状を持ち1年以上の実地修習を経た人などが受験できます。一級試験の科目は構造、取扱い、燃料及び燃焼、関係法令の各10問で、試験時間は4時間です。
二級免許で受験して一級に合格した人は、免許申請の際にボイラー取扱いの実務経験従事証明書を添付します。同規則第97条は、二級免許を受けた後2年以上ボイラーを取り扱った経験、または1年以上ボイラー取扱作業主任者としての経験を一級免許の交付要件にしています。
選任後の能力向上教育
日本ボイラ協会は、ボイラー取扱作業主任者に選任された人などを対象に能力向上教育を行っています。たとえば宮城支部の日程表には、2026年10月15日に仙台市でボイラー取扱作業主任者の能力向上教育を行う予定が掲載されています。開催の有無や時期は支部ごとに異なるため、勤務地の支部の日程表で確認してください。選任された人が交代する場合に備え、次の候補者の免許の級と経験年数も把握しておくと選任の空白を避けられます。
当サイトの提案
当サイトの提案:最初に事業場のボイラーを一覧にし、種類と伝熱面積を書き出したうえで第24条第2項の方法で合計を計算してください。必要な級が分かったら、現在の免許保有者で選任できるかを確認し、足りない場合は一級の受験資格になる実務経験や作業主任者経験の証明を誰が出すかを決めておくと手続きが進めやすくなります。選任後は第25条の10項目を日常点検表に落とし込み、水面測定装置の点検頻度と記録の保管方法を職場で統一しておくことをおすすめします。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。