ダム管理主任技術者とは
河川法第50条第1項は、ダムを設置する者がそのダムを流水の貯留や取水に使う場合、ダムの維持や操作などの管理を適正に行うため、政令で定める資格を持つ管理主任技術者を置かなければならないと定めています。同条第2項により、ダム設置者は管理主任技術者を選任したとき、国土交通省令で定める事項を河川管理者に届け出ます。
この記事の「ダム管理主任技術者」は、この河川法上の管理主任技術者を指します。資格の中身は河川法施行令第32条が学歴と実務経験で定めており、ダム設置者は要件を満たす人を選任します。旧記事が挙げていた試験の日程は、後の章で説明する水源地環境センターのダム管理技士試験に当たるもので、管理主任技術者そのものの試験として読むと誤解につながるため整理し直しました。
河川法施行令が定める資格要件
河川法施行令第32条が挙げる資格は次の三つです。
- 大学または高等専門学校(旧制の大学・専門学校を含む)で正規の土木に関する課程を修めて卒業した後、ダムまたは河川の管理に関して3年以上の実務経験がある人
- 高等学校または中等教育学校(旧制の中等学校を含む)で正規の土木に関する課程を修めて卒業した後、ダムまたは河川の管理に関して5年以上の実務経験がある人
- 国土交通大臣が、上の二つと同等以上の知識と経験があると認めた人
土木以外の課程を卒業した人や、実務経験が足りない人は、三つ目の大臣の認定に当たるかどうかが問題になります。この点で関係するのがダム管理技士試験です。
ダム管理技士試験との関係
一般財団法人水源地環境センターは、平成元年に建設省河川局長の指定を受けてダム管理技士試験を始め、平成17年度からは河川法施行規則第27条の2第1号に基づく国土交通大臣の登録を受けた試験として実施しています。同センターの案内によると、この試験に合格すると、管理主任技術者となる資格を持つ人と同等以上の知識と経験があると認められ、資格要件の実務経験年数が短縮されます。
2026年度(令和8年度)の受験資格は、満21歳から65歳までで、学歴と課程に応じた実務経験があることです。土木関連の課程を修めた大学・短大・高専・専門学校の卒業者は2年以上、その他の課程の卒業者は3年以上、高校卒業者は土木関連が3年以上、その他が4年以上、これらに当たらない人は8年以上(うちダム管理業務3年以上)の経験が必要です。経験年数は2026年6月末までで数えます。
| 項目 | 2026年度の内容 |
|---|---|
| 願書受付 | 4月6日〜5月15日(受付終了) |
| 学科試験 | 7月24日、全水道会館(東京都文京区)。受験料11,000円 |
| 学科合格発表 | 9月1日付で受験者53名中46名の合格者番号を公表 |
| 実技試験 | 10月上旬〜12月上旬のうち3日間、全国建設研修センター(東京都小平市)。受験料58,000円 |
| 最終合格発表 | 12月下旬の予定 |
学科試験は択一式、○×式、記述式で、ダムに関する法律制度、ダムの操作と気象・水象の情報、ダムの附帯設備や機械器具、貯水池の水質汚濁・地すべり・堆砂への対策を扱います。実技試験はダム管理用シミュレータを使い、洪水時などのダム操作や予測計算、判断力を3日間かけて確かめます。学科に合格して実技で不合格になった人は、次年度に限り学科が免除されます。
合格後の登録と更新
ダム管理技士試験の合格者は、水源地環境センターに申請してダム管理技士登録簿に登録されると、ダム管理技士の称号を使えます。登録料は11,000円です。登録は任意で、登録しなくても試験合格の効果は変わりません。登録の有効期間は5年で、5年ごとに登録更新講習会を受講して更新します。更新料は17,000円です。資格は満70歳に達する年度の末で消滅します。2026年3月末現在の登録者は994名です。
選任を考える人の確認手順
管理主任技術者を置く義務があるのは、流水の貯留や取水にダムを使うダム設置者です。個人が「資格を取る」という形よりも、ダム設置者が職員の学歴と実務経験を確認して選任し、河川管理者に届け出る流れになります。
当サイトの提案:まず自分の最終学歴が土木に関する課程に当たるかを卒業証明書と履修内容で確かめ、次にダムまたは河川の管理に従事した年数を職歴ごとに数えてください。施行令第32条の年数に届かない場合は、ダム管理技士試験の受験資格を満たすかを水源地環境センターの案内で確認し、翌年度の願書受付(2026年度は4月6日開始)に間に合うよう、勤務先の実務経験の証明を早めに相談しておくと手続きが滞りません。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。