土地改良専門技術者の位置づけ
農林水産省の通知「専門技術者委嘱の要領について」(昭和40年12月25日、最終改正平成31年3月29日)は、土地改良事業計画の必要性、技術的可能性、経済性などを調査するため、専門分野に応じて専門家に調査を委嘱するよう定めています。農業土木、農業経済、農村環境の分野の専門家には、技術士の農業部門の一部の選択科目の合格者と並んで、「土地改良専門技術者」が含まれます。
同じ通知は、土地改良専門技術者を「土地改良専門技術者育成対策実施要領(昭和59年11月1日付け59構改C第689号構造改善局長)第3の2により登録された者」と定義しています。つまり、この資格は農林水産省の局長通知に基づく試験と登録の制度です。旧記事は国家資格と説明していましたが、法律の条文で試験や名称が定められた資格とは成り立ちが異なるため、当サイトでは公的資格として扱います。
2026年度の試験
農林水産省農村振興局長は2026年7月22日付で、令和8年度の土地改良専門技術者試験と育成講習を公告しました。
| 項目 | 2026年度(令和8年度) |
|---|---|
| 試験日 | 10月2日(金)13時〜17時(4時間) |
| 試験地 | 札幌市、仙台市、さいたま市、金沢市、名古屋市、京都市、岡山市、熊本市、那覇市 |
| 申込締切 | 8月31日午後5時(締切済み) |
| 合否の通知 | 2027年2月以降、農村振興局長から本人宛に文書で通知 |
試験区分は農業土木部門、地域農業開発計画部門、農村環境部門の三つから1部門を選びます。旧記事は4部門と書いていましたが、2026年度の公告では3部門です。試験は基礎科目2問と専門科目2問の計4問を、それぞれ800字以内の論文にまとめる筆記試験です。基礎科目では土地改良専門技術者としての適格性、事業計画の調査・報告、事業評価が問われます。専門科目は、農業土木部門ならかんがい排水、農地整備、施設管理、畑地帯総合整備、農地防災、中山間地域総合整備の6問から2問を選び、地域農業開発計画部門は営農計画と経済効果、農村環境部門は生態系配慮と景観配慮を扱います。4問それぞれが満点の60%以上で合格です。
受験資格
受験資格は、学歴と業務経験の組み合わせで決まります。指定課程は、選択する部門に関する学科の課程です。
| 学歴 | 土地改良事業に係る業務の経験 | または調査・計画実務の経験 |
|---|---|---|
| 大学で指定課程を卒業 | 15年以上 | 3年以上 |
| 短期大学で指定課程を卒業 | 17年以上 | 5年以上 |
| 高等学校を卒業 | 20年以上 | 7年以上 |
育成講習と申込先
試験の直前には育成講習が開かれます。2026年度は9月28日から10月1日までの4日間、Web会議システムによるオンライン受講で、定員は約100名でした。土地改良法制度、事業計画の調査・報告、かんがい排水、農地整備、換地理論、事業評価などを扱います。受講資格は試験と同じで、試験を受けない人も受講できます。
申込先は、事務局の全国土地改良事業団体連合会(全国水土里ネット)です。様式は同会のWebページで入手し、申込専用メールアドレスに送ります。受験料と受講料は、今回確認した公告と同会の案内ページには載っていなかったため、申込前に事務局へ確認してください。
登録後の研修
試験の合格者は土地改良専門技術者登録名簿に登録されます。全国土地改良事業団体連合会は登録者を対象に専門技術者研修を開いており、2026年度は10月28日から11月10日までのうち6日程で、ZOOMを使ったオンライン形式です。研修を2年連続で欠席すると登録は自動的に取り消されます。令和6年度から5年ごとの更新手続きはなくなりました。技術士などによる新規登録の申込みや、登録内容の変更・取消の届出も同会が受け付けています。
受験を考える人へ
当サイトの提案:まず、卒業した学科が希望する部門の指定課程に当たるかを事務局に確認し、土地改良事業の業務経験と調査・計画実務の年数を分けて数えてください。担当した事業計画の調査や報告書作成の時期を整理しておくと、調査・計画実務の年数を数えやすくなります。2026年度の申込は締め切られており、2026年度の公告は7月22日付だったので、夏ごろに農林水産省のページを確認し、論文形式の4問に向けて事業評価や事業計画の調査・報告の要点を800字でまとめる練習をしておくとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。