土木鋼構造診断士・診断士補とは
土木鋼構造診断士と土木鋼構造診断士補は、一般社団法人日本鋼構造協会が講習会と試験を行い、認定登録する民間資格です。対象は鋼橋をはじめとする土木鋼構造物の点検・診断と補修・補強で、協会は両資格が国の「公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格」として登録されたこと、鋼道路橋に加えてコンクリート道路橋の点検・診断にも資格区分が広がったことを案内しています。
協会の一覧では、国土交通省の建設コンサルタント業務等のプロポーザル方式・総合評価落札方式の運用ガイドラインや、東京都建設局の橋梁点検要領、さいたま市の総合評価方式活用ガイドラインなどに、この資格が盛り込まれているとされています。旧記事で受験資格の例に挙げていた施工管理技士の保有は、協会の受験資格表には含まれていないため訂正しました。
受験資格
受験するには協会の講習会を受講する必要があり、講習会を受けるには次の実務経験が求められます。実務経験は、主に鋼構造物の管理等(点検、維持、補修、補強など)に関する業務です。
| 学歴・資格 | 土木鋼構造診断士 | 土木鋼構造診断士補 |
|---|---|---|
| 大学(土木工学課程)卒業 | 実務7年以上、または診断士補登録後3年以上 | 実務1年以上 |
| 短大・高専・専門学校(土木工学課程)卒業 | 実務9年以上、または診断士補登録後5年以上 | 実務1年以上 |
| 工業高校(土木工学課程)卒業 | 実務11年以上、または診断士補登録後5年以上 | 実務3年以上 |
| その他の学歴 | 実務13年以上、または診断士補登録後5年以上 | 実務5年以上 |
| 技術士(建設部門) | 登録後1年以上 | 対象外 |
土木工学以外の工学系課程の卒業者は、表の年数に1年を加えたものが受験資格になります。大学院で土木鋼構造の研究をした期間は実務経験とみなされ、大学院修士1年から診断士補の受講・受験ができます。その場合、認定登録は実務経験を満たしてからです。
2026年度の講習会と試験
2026年度の新規申込は、ホームページ受付が5月15日から7月10日まで、申込書類の提出期限が7月17日でした。講習会はオンデマンド動画を各自で視聴する形式で、視聴期間は8月1日から31日まで、受講申告書の提出期限は9月4日です。講習は鋼材、防食法、接合方法、腐食や疲労の点検・診断と補修・補強、道路橋、鉄道橋、港湾構造物、水力発電構造物など全15章で構成されています。受講申告書を出さない人は講習未受講とみなされ、受験できません。
試験は2026年10月17日(土)に、東京のTKP市ヶ谷カンファレンスセンターと大阪の天満研修センターで行われます。診断士は択一式(80分)、専門記述式(105分)、業務経験論文記述式(105分)を受験し、診断士補は択一式の成績で合否が決まります。2025年度に受講して受験できなかった人や不合格だった人は、再受験として講習が免除されます。
費用と合格基準
| 区分(税込) | 受講受験 | 受講のみ | 再受験(テキストなし) |
|---|---|---|---|
| 土木鋼構造診断士 | 33,000円 | 22,000円 | 11,000円 |
| 土木鋼構造診断士補 | 28,820円 | 22,000円 | 6,820円 |
受講受験料にはテキスト「土木鋼構造物の点検・診断・対策技術(2025年度改定版)」の代金が含まれます。申込後に取りやめても返金されません。診断士は択一式60%以上、専門記述式と業務経験論文記述式がそれぞれ70%以上で合格です。択一式が基準に届かない場合、記述式は採点されません。診断士補は択一式54%以上が合格点です。いずれも試験の実施状況により合格点が変更される場合があります。
認定登録と有効期間
合格者には認定登録申請書が届き、認定登録料6,820円(税込)を納めて申請します。登録は2027年4月1日付けで、資格の有効期間は4年間です。登録者の登録番号、氏名、会社名、県名は協会のホームページに掲載されます。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:まず自分の学歴と鋼構造物の点検・補修に関わった年数を表に当てはめ、診断士と診断士補のどちらを受けられるかを決めてください。診断士を受ける場合は、業務経験論文に使える案件を1件選び、損傷の種類、調査方法、補修方針を整理しておくと準備が進めやすくなります。2026年度の新規申込は5月15日に始まったので、翌年度も春先に協会のページを確認してください。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。