芸術療法士という名称が指すもの
芸術療法は、絵画、詩歌、音楽、ダンス、心理劇などの芸術活動を通じて心身の治療や支援を行う方法です。ただし「芸術療法士」という国家資格はなく、民間の団体がそれぞれ独自に名称や認定制度を設けています。団体によって条件や内容が大きく違うため、同じ名称でも同じ資格とは限りません。
この記事で扱うのは、日本芸術療法学会が認定する「芸術療法士」です。日本芸術療法学会は1969年に設立された学術団体で、会員はおよそ1,000人、精神科医、臨床心理士、作業療法士、看護師、音楽家、画家、教師など多様な職種の人が所属しています。学会は芸術療法の質を高め、普及と実践、芸術療法士自身の研鑽を目的として、2005年に芸術療法士の認定制度を設けました。
新規申請に必要な条件
学会の案内では、次の条件をすべて満たすことを新規申請の条件としています。
- 申請時点で3年以上継続して学会の正会員であること
- 申請時点で学会の大会に3回以上参加していること(参加証のコピーを添付)
- 芸術療法の臨床経験が3年以上あり、所属長または正会員歴10年以上のスーパーバイザーが証明すること
- 学会主催の研修セミナー(プライマリーまたはアドバンスト)を受講していること
- 芸術療法または表現病理に関する学会発表が2回以上あり、そのうち1回以上は本人が筆頭演者として日本芸術療法学会で発表していること
- 芸術療法または表現病理に関する論文・著書が1編以上あること
- 3,000字から5,000字の臨床レポートを2編提出すること
論著には学術誌、大学紀要、専門書、研究報告書などが含まれ、査読の有無は問われません。ただし内容の専門性と関連性は審査されます。筆記試験の実施は案内に書かれておらず、書類による審査が中心と読み取れますが、審査方法の詳細は申請書類で確認する必要があります。
申請方法と費用
申請を希望する人は、学会事務局に所定の申請書類を請求します。請求はメールまたは学会サイトの問い合わせフォームで受け付けています。申請受付期間と審査スケジュールは別途案内するとされており、2026年10月3日時点で公式ページに具体的な日程は出ていません。審査料や登録料も公式ページでは確認できませんでした。
前提となる学会の入会には、正会員1名の紹介が必要です。入会金は5,000円、年会費は10,000円で、会員には年2回発行の学会誌が届きます。正会員歴3年以上が条件なので、入会から申請までには少なくとも3年かかります。
研修セミナーと大会
学会は芸術療法研修セミナーをプライマリーとアドバンストの2コースで開いています。2026年度は前期と後期の2回開催することになり、後期は2027年3月13日と14日に奈良市内で開く予定です。プログラムと申込要領は10月末までに学会サイトで公開すると案内されています。2026年度の第57回学術大会は9月26日と27日に神奈川大学横浜キャンパスで開かれました。
資格の更新と申請前の確認点
芸術療法士の資格は5年ごとに更新が必要です。更新には正会員であること、継続的な臨床実践、学会参加や研究発表、研修受講などの実績報告が求められます。
当サイトの提案:まず、自分が取りたい「芸術療法士」がどの団体の資格かをはっきりさせてください。日本芸術療法学会の資格を目指すなら、入会、大会参加3回、研修セミナー受講、本人筆頭の学会発表、論文1編という順に、年ごとの計画表を作ると見通しが立ちます。審査料と申請期間は公開されていないので、入会後に学会事務局へ申請書類を請求し、費用と締切を書面で確認してから準備を進めると安心です。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。