環境部門の技術士とは
技術士は、科学技術に関する高度な専門的応用能力を持つ技術者を国が認める資格で、技術部門ごとに試験が行われます。環境部門は、環境の現状の解析と将来予測、環境測定と監視、自然環境の保護や再生、事業が環境に及ぼす影響の評価などを扱う部門です。
環境に関わる科目はほかの部門にもあります。建設部門の建設環境や森林部門の森林環境のように、1つの技術部門に限られる内容は、その部門の選択科目として扱われます。環境部門の環境保全計画や自然環境保全などは、こうした内容を除いた範囲が対象です。
技術士になるまでの流れと受験資格
技術士は技術士法に基づく国家資格で、文部科学省の制度のもと、公益社団法人日本技術士会が試験と登録の事務を行っています。環境部門は21ある技術部門の1つで、技術士の資格は技術部門ごとに与えられます。
最初に第一次試験に合格するか、文部科学大臣が指定した教育課程を修了して、技術士補となる資格を得ます。次に業務経歴を積んで第二次試験の筆記試験と口頭試験に合格し、日本技術士会に登録して技術士になります。第一次試験には年齢・学歴・業務経歴による制限がありません。
第二次試験を受けるには、技術士補となる資格を持ち、申込時点で次のいずれかに当てはまる必要があります。技術士補として登録し通算4年を超えて技術士を補助した人、技術士補となる資格を得た日から監督者のもとで通算4年を超えて業務に従事した人、科学技術に関する計画・研究・設計などの業務に通算7年を超えて従事した人です。7年の期間には、技術士補となる資格を得た日より前の従事期間も算入できます。第二次試験は、第一次試験で選んだ部門に限らず、ほかの技術部門でも受験できます。
環境部門の選択科目と令和7年度の結果
第二次試験では、次の4科目から1つを選びます。受験者数と合格者数は、日本技術士会が公表した令和7年度第二次試験の選択科目別の結果です。
| 選択科目 | 主な範囲 | 受験者数 | 合格者数(合格率) |
|---|---|---|---|
| 環境保全計画 | 環境の現状の解析と将来変化の予測・評価、環境情報の収集・分析、環境の保全と持続可能な利用に関する計画 | 147人 | 22人(15.0%) |
| 環境測定 | 環境測定計画、環境測定分析、環境監視、測定値の解析と評価 | 84人 | 6人(7.1%) |
| 自然環境保全 | 生態系や風景、野生動植物の保護と再生・修復、生物多様性保全・外来種対策、自然教育と施設整備 | 125人 | 12人(9.6%) |
| 環境影響評価 | 事業が環境に及ぼす影響の調査・予測・評価、環境保全措置の検討 | 50人 | 8人(16.0%) |
令和7年度の環境部門全体では、受験申込者537人、受験者406人、合格者48人で、合格率は11.8%でした。全21部門の合計の合格率は11.4%です。第一次試験の環境部門は、受験者862人、合格者335人、合格率38.9%でした。第一次試験の専門科目は、大気・水・土壌などの環境の保全、地球環境の保全、廃棄物などの物質循環の管理、環境の状況の測定分析と監視、自然生態系と風景の保全、自然環境の再生・修復と自然とのふれあい推進の分野から出題されます。
第二次試験の試験方法と令和8年度の日程
総合技術監理部門以外の第二次試験は、筆記試験と口頭試験で行われます。筆記試験は記述式で、技術部門全般にわたる専門知識・応用能力・問題解決能力・課題遂行能力を問う必須科目(2時間)と、選択科目についての専門知識・応用能力(問題Ⅱ)と問題解決能力・課題遂行能力(問題Ⅲ)を問う選択科目(合わせて3時間30分)があります。筆記試験の合格者だけが口頭試験に進み、技術士としての実務能力と取組姿勢を20分程度で試問されます。
| 項目 | 令和8年度第二次試験 |
|---|---|
| 受験申込 | 郵送4月1日〜4月15日、WEB4月1日〜4月14日(締切済み) |
| 筆記試験 | 7月20日(総合技術監理部門以外の技術部門)。実施済み |
| 筆記試験の合格発表 | 11月上旬 |
| 口頭試験 | 12月上旬〜令和9年1月中旬のうち通知される日。会場は東京都 |
| 最終の合格発表 | 令和9年3月中旬 |
| 受験手数料 | 1技術部門につき20,500円(非課税) |
令和8年度の第一次試験は11月22日に行われます。申込受付は6月に締め切られており、試験はマークシート形式の五肢択一式で、基礎科目、適性科目、受験者が選んだ1技術部門の専門科目で構成されます。受験手数料は13,000円で、合格発表は令和9年2月下旬です。
受験を考えている人へ
日本技術士会の案内では、第二次試験に合格した人が技術士となるには、日本技術士会に登録の申請をする必要があります。登録の手続きや必要書類は、日本技術士会の「技術士・技術士補 登録について」のページで案内されています。
当サイトの提案:環境に関わる業務をしている人は、まず自分の業務が環境部門の4科目に当たるのか、建設部門の建設環境や森林部門の森林環境など、ほかの部門の科目に当たるのかを確かめてください。業務の対象が特定の事業分野に限られている場合は、そちらの部門のほうが業務経歴を説明しやすいことがあります。科目を決めたら、日本技術士会のサイトで公開されている過去の第二次試験問題を読み、出題の形式を確かめておきましょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。