船舶・海洋部門とはどんな区分か
技術士は技術士法に基づく国家資格で、第二次試験は21の技術部門ごとに行われます。船舶・海洋部門はそのうちの1つで、選択科目は「船舶・海洋」の1つだけです。日本技術士会が公表している選択科目の内容は、船舶の機能、設計、構造、性能及び建造に関する事項と、浮体式海洋構造物及び海洋機器に関する事項です。造船だけでなく、浮体式の海洋構造物や海洋機器も対象に含まれます。
試験の事務は指定試験機関の公益社団法人日本技術士会が担当します。技術士法第32条により、第二次試験の合格者は合格した技術部門などを技術士登録簿に登録して初めて技術士になります。第57条は技術士でない者が技術士やこれに類似する名称を使うことを禁じており、技術士は名称を独占する資格です。登録後に名称を表示して業務を行うときは、登録を受けた技術部門を明らかにする必要があります。
受験までの道筋
第二次試験の受験には、まず技術士補となる資格が必要です。一般的には第一次試験に合格して得ます。第一次試験は年齢・学歴・業務経歴の制限がなく、基礎科目、適性科目、専門科目を五肢択一のマークシートで解答します。令和8年度の第一次試験は11月22日に行われ、申込はすでに締め切られています。受験手数料は13,000円で、合格発表は令和9年2月下旬です。
技術士補となる資格を得た後、技術士補として通算4年を超えて補助する、要件を満たす監督者の下で通算4年を超えて業務に従事する、または科学技術の計画・研究・設計などに通算7年を超えて従事する、のいずれかを満たすと第二次試験を受けられます。
令和8年度第二次試験の日程と費用
令和8年度の受験申込は、郵送が4月1日から15日、WEBが4月1日から14日でした。船舶・海洋部門を含む総合技術監理部門以外の筆記試験は7月20日に行われています。筆記試験の合否は11月に通知され、合格者は12月から令和9年1月の間に東京都で口頭試験を受けます。最終合格者は令和9年3月に官報で公告され、本人に合格証が送られます。受験手数料は20,500円です。
改訂コンピテンシーの適用
日本技術士会は、文部科学省の技術士分科会で「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」が改訂されたことを受け、令和8年度の第二次試験から改訂版を適用すると告知しました。新旧対照表では、問題解決の項目に「必要に応じてデータ・情報技術を活用して定義し」や「多角的な視点を考慮し、ステークホルダーの意見を取り入れながら」といった記述が加わっています。筆記試験は必須科目I(2時間)と選択科目II・III(計3時間30分)の記述式で、口頭試験は20分で実務能力と取組姿勢が問われます。
筆記試験の配点は必須科目Iが40点、選択科目IIとIIIが各30点です。必須科目Iは「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力を問うもので、船舶・海洋部門の受験者もこの部門全般の問題に答えます。
令和7年度の結果
令和7年度の第二次試験統計では、船舶・海洋部門の受験申込者は24人、受験者は20人、合格者は3人で、対受験者合格率は15.0%でした。同じ年度の全部門の合計は受験者24,135人、合格者2,752人(11.4%)です。受験者が少ない部門なので、1人の合否で合格率が大きく動く点に注意が必要です。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:まず技術士補となる資格をすでに持っているかを確認し、持っていない場合は令和9年度の第一次試験の申込時期(令和8年度は6月)を予定に入れてください。資格を持っている人は、船舶の設計・建造の業務と浮体式海洋構造物の業務のどちらを中心に経歴を書くかを決め、改訂コンピテンシーの新旧対照表を読んで、自分の業務でデータ活用や関係者との調整をした場面を書き出しておくと、筆記と口頭の準備を同じ材料で進められます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。