舶用機関整備士と海技士の違い
舶用機関整備士は、一般社団法人日本舶用機関整備協会が資格検定を行う、船舶のエンジン整備技術者の資格です。船に乗り組んで機関を運転する船舶職員の国家資格「海技士(機関)」とは別の制度で、旧版の記事で紹介していた海技士の筆記試験の科目や勉強法は、この資格には当てはまりません。
協会の沿革によると、地方の舶用工業会ごとに行われていた検定を平成3年に社団法人日本舶用工業会が全国統一し、平成7年に設立された協会が事業を引き継ぎました。平成27年1月には、舶用機関整備士資格が国土交通省公認となっています。当サイトでは、協会が認定する民間資格として扱います。
資格の区分と受験資格
検定の対象は原則として1基あたり4,000kW以下の機関で、ディーゼル機関は1級・2級・3級、船外機は3S級に区分されます。3S級は現在、新規講習会と検定試験を行っていません。
資格を取得できるのは、協会の会員会社に所属する従業員だけです。検定試験の前に新規講習会を受講し、受講時に学歴に応じた実務経験を満たしている必要があります。3級の場合、中学卒は4年、高校普通科卒は3年、高校の機械科などの専門科卒は2年の舶用機関整備の実務経験が必要です。2級は3級取得後に1〜3年、1級は2級取得後に2年の経験が求められます。5級・6級海技士(機関)の資格は高校専門科卒と同等とみなすなどの特例もあります。
合否は、協会に置かれた「舶用機関整備士資格検定委員会」が最終的に判定します。委員会は実施計画、講習内容、受験資格、合格基準などを審議しています。新規講習会は1級が全国5〜6か所で3日間、2級・3級が10〜11か所で2日間行われ、協会が作成した指導書を使います。
2026年度の検定日程と費用
令和8年度の実施計画によると、1級は5月から6月に全国6会場で3日間の講習会を行い、6月26日に学科試験、8月下旬に学科合格者への実技・面接試験を実施し、9月末に合格を発表する流れでした。協会は9月18日に1級の合格者を公表しています。
2・3級は、9月から10月に2級9会場、3級10会場で2日間の講習会を行い、11月20日(金)に全国9会場で学科と実技の検定試験を実施する予定です。講習会の申込期限は8月18日で、締切後は協会事務局への相談となっています。学科は指導書から出題される25問を2時間で解き、実技は30分です。合格発表は12月末に会員会社へ連絡されます。
| 費用(税込) | 金額 |
|---|---|
| 新規講習会(2級・3級、指導書を含む) | 24,000円 |
| 検定試験(2級・3級) | 7,000円 |
| 新規講習会(1級) | 36,000円 |
| 検定試験(1級学科/実技・面接) | 各10,000円 |
| 資格証明書の交付 | 4,500円 |
資格の有効期間と活用場面
合格者には資格証明書と整備士証が交付され、有効期間は4年です。更新には1日の更新講習会を受講します。資格は、国土交通省の証明を受けた内燃機関のサービス・ステーションや、日本小型船舶検査機構(JCI)に証明された「特定の保守整備事業者」で、整備の責任者や技能者として認められています。これらの事業者が整備した機関は、船舶検査で開放検査の立会いが一部省略されます。
取得を目指す人へ
当サイトの提案:まず勤務先が日本舶用機関整備協会の会員会社かどうかを確認してください。会員でなければ資格を取得できません。次に、自分の学歴と整備の実務経験年数を協会の表に当てはめ、3級の受講要件を満たす時期を把握します。講習会の申込は会社を通じて行うため、2026年度の2・3級の実施要領は7月7日付で会員へ送られているので、次年度も夏前から上司に受講希望を早めに伝えておくとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。