設計士制度の目的
海洋・港湾構造物設計士は、一般財団法人沿岸技術研究センターが認定する資格です。2007年度に「港湾の施設の技術上の基準」が改定され、設計体系が仕様設計から性能設計に移りました。性能設計では照査の手法などが設計者の裁量に委ねられるため、成果品の品質を確保しながら創意工夫を生かせる技術者が求められています。センターはこうした背景から、海洋構造物、港湾構造物、海岸構造物の設計と、それに関わる調査・研究・開発に携わる技術者を認定する制度を設けました。
対象となる構造物は、港湾法の技術基準対象施設と海岸法の海岸保全施設が中心です。技術者は建設コンサルタント、建設会社、製造会社、行政機関、研究機関、教育機関などに勤める技術系職員を想定しています。
3段階の試験と受験要件
設計士補試験、設計士筆記試験、設計士面接試験のすべてに合格すると設計士となる資格を得ます。設計士補試験だけに合格した人は、登録すると設計士補になります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| A(設計士補試験) | 海洋・港湾構造物等の調査・研究・計画・設計・工事・管理の実務経験が、大学卒3年以上、短大・高専卒5年以上、高校卒7年以上 |
| B(筆記試験) | 同じ実務経験が、大学卒7年以上、短大・高専卒9年以上、高校卒11年以上 |
| C(筆記試験) | 海洋・港湾構造物等の設計に関する実務が通算3年以上 |
| D(筆記試験) | 設計士補に合格・登録後、設計士相当と認められる技術者の下で設計に関する実務が通算2年以上 |
設計士筆記試験は、BとCを両方満たすか、Dを満たすと受験できます。大学院での実務は2年を限度に算入でき、年数は令和8年3月末日現在で数えます。設計士補試験の合格者は、翌年度から5年間、設計士補試験が免除されます。
試験の内容
設計士補試験は2時間の択一式で、港湾法と技術基準の基礎知識、海象・地盤・地震・材料、水域施設・係留施設・外郭施設の設計の基礎知識から32問、技術者倫理から3問が出ます。設計士筆記試験は2時間の記述式で、必須の共通問題と3問から1問を選ぶ選択問題です。設計士面接試験は45分程度の口頭試問で、設計実務の専門能力、センターが9月ごろに公表する技術課題への対応力、設計士としての倫理観と適格性が問われます。
合格基準も受験案内で示されています。設計士補試験は、全体の得点がおおむね60%以上で、かつ倫理問題3問のうち2問以上に正解することが条件です。設計士筆記試験は、共通問題と選択問題の合計点だけでなく、それぞれが一定水準に達している必要があります。面接試験の配点は、設計実務の口頭試問が20点、技術課題が60点、倫理観と適格性が20点です。
設計士補試験と筆記試験を同じ日に受け、設計士補試験は合格ラインに届かず筆記試験だけが合格ラインに達した人は、翌年度から3年間は筆記試験が免除されます。この場合、設計士補試験に合格すれば面接試験に進めます。
2026年度の日程と費用
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 受験申込 | 4月13日から5月15日まで(受付終了) |
| 設計士補試験・設計士筆記試験 | 7月5日(東京、大阪、福岡) |
| 補・筆記の合格発表 | 9月16日に発表済み |
| 設計士面接試験 | 11月下旬の日曜日のうち指定する1日(東京23区内の予定) |
| 面接の合格発表 | 2027年2月中旬 |
| 受験料 | 設計士補試験5,500円、設計士筆記試験11,000円、設計士面接試験16,500円(いずれも税込) |
登録と更新
設計士と設計士補の登録の有効期間は、登録の時期にかかわらず試験合格年度の翌年度4月1日から5年間です。設計士の資格は、有効期間内の実務実績と継続学習などを条件に更新できます。設計士補の資格登録は更新できません。
受験を考える人へ
当サイトの提案:実務経験が大学卒で3年以上あれば、まず設計士補試験から受けられます。設計実務がまだ短い人は、設計士補に登録して設計士相当の技術者の下で2年の設計実務を積む要件Dの道を検討してください。その場合は上司や指導者がRCCMや技術士など設計士相当の資格を持っているかを確認しておくと、筆記試験の受験時期を見通せます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。