コンクリート構造診断士とは
コンクリート構造診断士は、公益社団法人プレストレストコンクリート工学会(PC工学会)が実施する試験によって、コンクリート構造の診断と維持管理に必要な高度の技術と知識を持つと認定され、所定の手続きで登録された技術者に与えられる名称です。工学会自身が、法に定められた資格ではないと明記しています。名称の似た「コンクリート診断士」は公益社団法人日本コンクリート工学会の別の資格です。
工学会によると、同じ工学会のプレストレストコンクリート技士が主に新設のPC構造物の計画・設計・施工に関わるのに対し、コンクリート構造診断士は膨大な数の既設コンクリート構造物の診断と維持管理に関わります。劣化の程度を診断して維持管理を提案するだけでなく、構造物全体の耐力や耐震性能の診断について助言や判断を求められることもあるとされています。
国土交通省の技術者資格登録規程に基づき、橋梁(コンクリート橋)、トンネル、道路土工構造物(シェッド・大型カルバート等)の点検と診断を担当する技術者の資格として登録されています。
受験資格
受験資格は、資格を持っている人の区分Aと、学歴と実務経験で受ける人の区分Bに分かれます。どちらも選択式問題と記述式問題を受け、講習会の受講は任意です。
| 区分 | 条件 | 必要な実務経験 |
|---|---|---|
| A | 技術士(建設部門)、一級建築士、博士号またはPhD、土木学会特別上級土木技術者、PC技士、コンクリート主任技士、コンクリート診断士、一級(土木・建築)施工管理技士のいずれかを登録している人 | 不要 |
| B | 大学で土木工学・建築学関連の課程を修めた人、またはコンクリートに関する科目を履修した人 | 4年以上 |
| B | 短期大学・高等専門学校で、土木・建築関連の課程を修めた人、またはコンクリートに関する科目を必須とする学科の卒業者 | 6年以上 |
| B | 工業高等学校で同様の課程・学科を卒業した人 | 8年以上 |
| B | その他の学歴・課程 | 10年以上 |
区分Bの実務経験は、コンクリートまたはプレストレストコンクリートに関する経験年数です。大学院でコンクリート構造やPCの研究をした期間は実務経験とみなされます。
2026年度(第19回)試験の日程と受験料
2026年度の願書(受験申込の手引きを含む)は無料で、3月2日から5月15日まで請求を受け付けました。願書の提出は4月1日から5月25日までで、書留郵便で送ります。試験は7月12日に、東京(芝浦工業大学豊洲キャンパスの予定)、大阪(大阪YMCA国際文化センター)、福岡(天神ビル)で行われました。受験料は16,500円(税込)で、申込後の払い戻しはありません。合否は合格・不合格にかかわらず2026年10月中に本人へ通知される予定です。
試験の形式と合格基準
選択式問題は90分のマークシート方式で40題程度が出題され、診断の基本、点検・調査、診断、補修・補強、耐震診断・補強技術、建築の耐震診断・補強技術が範囲です。記述式問題は120分で2問に答え、1問1600字程度です。コンクリート構造物の維持管理、診断、補修・補強に関する総合的な技術力や考え方が問われます。
合格基準は、試験全体で60%以上、かつ選択式と記述式でそれぞれ50%以上です。記述式が白紙の場合は採点されません。試験の実施状況によって、選択式の基準点が変更される場合があります。
工学会はeラーニングのコンクリート構造診断技術講習(講習時間4時間、受講料16,500円)を開いています。2020年度から受験要件ではなくなりました。2026年度の受講申込は4月17日で締め切られています。
合格後の登録と更新
合格者には合格通知と登録申請書が送られ、登録すると「コンクリート構造診断士」の称号が付与されます。所定の期間内に登録しないと称号は使えません。登録料は16,500円で、2026年度合格者の登録証は2026年12月末に発行され、2027年1月から有効になります。有効期間は4年です。更新の対象者はeラーニング講習を受講し、登録更新料16,500円を納めます。更新しなかった人は、再登録の手続きとeラーニング講習の受講が必要です。
受験を検討するときの確認点
当サイトの提案:まず、自分が区分Aの資格を登録しているか、区分Bの実務年数を満たすかを受験資格表で確認してください。区分Bの人は実務経歴書の詳しい確認があるため、担当した構造物と業務内容を年ごとに整理しておくと願書作成が楽になります。願書は請求してから書留郵便で提出する流れなので、2026年度と同じく3月に請求が始まる場合は、その時点で手続きを始めると5月の締切に余裕を持って間に合います。記述式は1問1600字程度と分量が多いため、120分で2問を書き切れるか事前に試しておくことをおすすめします。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。