ニット科という免許の範囲
ニット科は、職業能力開発促進法第28条に基づく職業訓練指導員免許の職種です。公共職業能力開発施設などで普通職業訓練を教える指導員は、職種ごとに都道府県知事の免許を受ける必要があり、職業能力開発促進法施行規則の別表第十一は、ニット科の免許で「アパレル系ニット科」の訓練を担当できると定めています。旧記事は編み物教室や通信講座の教材を紹介していましたが、それらはこの免許とは関係がありません。
施行規則の旧免許職種の表では、以前の「メリヤス科」が現在のニット科に当たります。古い免許証にメリヤス科と書かれている人は、ニット科の範囲で訓練を担当できるかを都道府県に確認するとよいでしょう。
試験科目はパターンと製品製作
施行規則別表第十一が定めるニット科の試験科目は次のとおりです。系基礎学科は洋裁科、洋服科、縫製科と共通で、アパレル系の職種に共通する被服の知識が問われます。
| 区分 | 科目 |
|---|---|
| 実技試験 | パターンメイキング、ニット製品製作 |
| 学科試験(指導方法) | 職業訓練原理、教科指導法、訓練生の心理、生活指導、職業訓練関係法規 |
| 学科試験(系基礎学科) | 被服学(被服史、被服論、縫製)、デザイン(色彩、造形、デザイン画、製図)、安全衛生 |
| 学科試験(専攻学科) | ニット一般(生地の種類と性質、ニット組織)、ニット材料(原料、原料処理法)、服装デザイン、ニット製造法(製造法、製造機械) |
ニット製品製造の技能検定との関係
施行規則別表第十一の二は、ニット科に対応する技能検定職種をニット製品製造と定めています。厚生労働省の一覧によると、ニット製品製造には丸編みニット製造作業と靴下製造作業があり、ニット製品の製造に必要な技能を対象にしています。秋田県の受験案内では、免許職種に関する技能検定1級に合格した人は実技試験と関連学科が免除され、実務経験も問われません。2級合格者は実技試験が免除されます。さらに島根県の案内では、1級合格者が厚生労働大臣の指定する48時間講習を修了すると、試験を受けずに免許を申請できます。
ただし、中央職業能力開発協会が公表した令和8年度の前期・後期の実施職種一覧には、ニット製品製造が含まれていません。2026年度に都道府県の職業能力開発協会でこの技能検定を受ける機会は確認できず、次の実施は各年度の公示で確かめる必要があります。
2026年度の試験と手数料
職業訓練指導員試験は、都道府県知事が厚生労働大臣の計画に従って行います。秋田県の2026年度試験は、全職種を対象に学科試験の指導方法だけを11月5日に実施し、申請は10月2日で締め切りました。手数料は3,100円で、学科試験がすべて免除される人は不要です。実技と学科の全部が免除される人は、通年で受験申請と免許申請をまとめて行えます。免許交付手数料は2,300円です。
島根県の案内では、免許の申請は原則として住所地の都道府県知事あてに行い、申請書を受理してから約2週間で免許証が交付されます。申請書と手数料は職種ごとに必要で、ニット科と縫製科のように2職種を同時に申請すると手数料も2職種分になります。職業能力開発促進法第28条により、拘禁刑以上の刑に処せられた人や、免許の取消しから2年を経過していない人は免許を受けられません。
取得までの進め方
当サイトの提案:ニット製品の製造現場で働いている人は、まずニット製品製造の技能検定1級を持っているかどうかで道を分けて考えてください。1級を持っていれば、都道府県の職業能力開発協会に48時間講習の開催予定を尋ねるのが近道です。持っていない人は、学歴と実務年数で受験資格を確かめ、全職種共通の指導方法から受けておくと、パターンメイキングなどの実技が実施される年に備えられます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。