林業普及指導員の位置づけ
林業普及指導員は森林法第187条で定められた職で、都道府県に置かれ、その都道府県の職員が充てられます。仕事の内容も同じ条文に書かれており、試験研究機関と連絡を取りながら専門事項を調べること、森林所有者や林業に従事する人に技術と知識を広めること、森林の施業を指導すること、市町村の求めに応じて専門的な協力をすることが挙げられています。
この職に任用されるには、農林水産大臣が行う林業普及指導員資格試験に合格するなどの資格が必要です。林野庁の受験案内は、都道府県職員以外も受験できるものの、合格しても林業普及指導員には任用されないと明記しています。民間の林業事業体に勤める人にとっては、合格が直接の職務資格にはならない点を理解したうえで受験を考える必要があります。
試験区分と試験の内容
試験は「林業一般」と「地域森林総合監理」の2区分で、どちらも筆記試験と口述試験で構成されます。筆記試験に合格した人だけが口述試験に進めます。地域森林総合監理区分の受験者は、林業一般区分との併願を希望できます。
令和8年度の受験案内によると、1日目の筆記は共通で、林業一般と普及方法を問う一般基礎(択一式60分)、森林経営・施業技術・林産の3分野から1つを選ぶ専門の択一式(60分)と小論文式(80分)が行われました。地域森林総合監理区分は2日目にも総合専門の適性(択一式30分)、課題解決の択一式(80分)と記述式(90分)を受けます。過去問題は林野庁のページで平成29年度分から公開されています。
令和8年度の日程と受験手続
| 項目 | 令和8年度の内容 |
|---|---|
| 願書受付 | 4月6日〜5月8日(メールで提出。受付は終了) |
| 筆記試験 | 8月4日・5日(北海道、岩手、福島、群馬、東京、愛知、大阪、岡山、福岡、熊本) |
| 口述試験 | 10月26日〜11月27日の間で林野庁長官が指定する日 |
| 合格発表 | 口述試験の実施後1か月以内 |
| 受験手数料 | 徴収しない(森林法施行規則第97条) |
林野庁は、令和8年熊本地震の影響で熊本会場での筆記試験を中止したと掲載しています。日程や会場の変更は林野庁の受験案内ページで告知されます。
受験資格となる職務経験
受験資格は森林法施行規則第91条で定められています。対象となる職務は、試験研究機関での林業の試験研究、高等学校以上での林業教育、国・地方公共団体・森林組合などの団体での林業技術の普及指導または森林の整備・保全の監理です。必要年数は学歴で変わり、林業一般区分は大学院修了2年、指定教育機関の大学卒4年、短大卒6年、高校卒業または高卒認定合格10年以上です。地域森林総合監理区分はそれぞれ5年、7年、9年、11年以上で、そのうち普及指導や監理の経験が5年以上必要です。
提出書類と経過措置
令和8年度は、受験願書に森林法施行規則第94条の履歴書と受験資格の証明書を添え、林野庁のメールアドレスへ送る方式でした。添付ファイルにはパスワードを付け、パスワードは別のメールで送るよう指定されています。書類に不備があって期限までに補正されない場合、願書は受理されません。受理されると受験票が交付され、筆記試験の場所が通知されます。
平成17年4月より前の制度で林業改良指導員資格試験に合格した人には経過措置があります。施行規則の附則により、対象の職務に通算2年以上従事していれば林業一般区分を、普及指導や監理の職務に通算5年以上従事していれば地域森林総合監理区分を受験できます。この場合は旧試験の合格証書の写しまたは合格証明書を添付します。
受験者数と合格者数
林野庁の受験案内ページによると、令和7年度は林業一般区分の受験申請者373人に対して合格者292人、地域森林総合監理区分は受験申請者243人に対して合格者138人でした。数字は受験者数ではなく受験申請者数との対比なので、合格率として読む場合は注意が必要です。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:まず自分の職務経歴が施行規則第91条の三つの職務に当たるかを整理し、年数を月単位で数えてください。判断が難しい場合は、勤務先の人事担当を通じて林野庁研究指導課に確認するのが確実です。そのうえで、選択する専門分野(森林経営・施業技術・林産)を決め、林野庁が公開している過去問題を年度順に解いて出題範囲をつかむと準備が進めやすくなります。令和8年度の願書受付は4月6日に始まり約1か月で締め切られたので、翌年度に受ける人は春先から林野庁の受験案内ページを確認しておくと出し遅れを防げます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。