作業主任者の位置づけ
労働安全衛生法第14条は、政令で定める作業について、事業者が免許取得者または技能講習修了者から作業主任者を選任するよう定めています。労働安全衛生法施行令第6条第21号は、別表第六の酸素欠乏危険場所における作業をその対象にしています。
酸素欠乏症等防止規則第11条によると、第一種酸素欠乏危険作業の作業主任者は、酸素欠乏危険作業主任者技能講習か酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者から選びます。第二種酸素欠乏危険作業では、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者しか選任できません。この記事で扱う酸素欠乏危険作業主任者技能講習は、第一種の作業だけに対応する講習です。
作業主任者が行う職務
同規則第11条第2項は、第一種の作業主任者に次の4つを行わせるよう事業者に求めています。
- 労働者が酸素欠乏の空気を吸わないよう作業の方法を決め、労働者を指揮すること
- その日の作業開始前、全員が場所を離れた後に再開する前、労働者の身体や換気装置等に異常があったときに、酸素濃度を測ること
- 測定器具、換気装置、空気呼吸器等を点検すること
- 空気呼吸器等の使用状況を監視すること
技能講習の内容と時間
酸素欠乏危険作業主任者技能講習及び酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習規程の第1章が、この講習の内容を定めています。
| 区分 | 講習科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 酸素欠乏症及び救急そ生に関する知識 | 2時間 |
| 学科 | 酸素欠乏の発生の原因及び防止措置に関する知識(濃度の測定方法、換気の方法を含む) | 3時間 |
| 学科 | 保護具に関する知識 | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 2時間 |
| 実技 | 救急そ生の方法(人工呼吸、人工そ生器の使用) | 2時間 |
| 実技 | 酸素の濃度の測定(測定器の取扱い、測定位置の選定) | 1時間 |
学科は合計9時間、実技は3時間です。学科はおおむね100人以内、実技は10人以内を1単位として行います。講習の最後には学科試験と実技試験からなる修了試験があり、学科試験は筆記または口述で行われます。
測定と記録の扱い
酸素欠乏症等防止規則第3条は、事業者に対し、作業場の酸素濃度をその日の作業開始前に測り、測定日時、方法、箇所、条件、結果、測定者の氏名などを記録して3年間保存するよう求めています。作業開始前の測定は第11条で作業主任者の職務とされているため、講習の実技で扱う測定器の操作と測定位置の選び方は、記録の書き方と合わせて身につけておく内容です。
受講資格と申込先
東京労働局の技能講習の受講資格一覧は、一覧に記載のない区分の技能講習には受講資格が定められていないと説明しています。酸素欠乏危険作業主任者技能講習もこれに当たり、学歴や実務経験の要件はありません。講習は都道府県労働局長の登録を受けた登録教習機関が開き、日程と受講料は機関ごとに異なります。
どちらの講習を選ぶか
当サイトの提案:担当する可能性のある現場を、汚水槽・し尿槽・海水が滞留した設備を含むかどうかで先に整理してください。含む可能性が少しでもあるなら、最初から酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を受けると、第一種と第二種の両方で選任を受けられます。第一種だけで足りると判断した場合も、登録教習機関の案内で実技の測定機器の種類と修了試験の形式を確認し、日程を勤務先の現場予定と照らし合わせて申し込むと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。