船舶電装士の位置づけ
船舶電装士は、一般社団法人日本船舶電装協会が実施する「船舶電気装備技術者」の検定試験のうち、初級にあたる資格です。協会は初級の船舶電装士のほか、中級の主任船舶電装士、上級の船舶電装管理者、航海用レーダー整備士、航海用無線設備整備士の講習と検定を行っています。
船舶電装士は法律で定められた国家資格ではなく、協会が認定する資格です。ただし、船舶電気艤装工事を行う事業場などが、施設や人員、実績について国土交通省の地方運輸局等の証明を受けると、船舶安全法に基づく船舶検査で検査官の立会いを一部省略できます。この証明を受けるには、検定試験に合格した資格者を置く必要があります。日本小型船舶検査機構(JCI)や一般財団法人日本海事協会の検査でも、この仕組みが活用されています。
受講・受験資格
初級講習と船舶電装士検定試験を受けられるのは、学歴に応じて次の船舶電装工事の経験がある人です。経験年数には2026年度も含まれ、電気工事士の資格を持つ人は1年以上に短縮されます。
| 学歴 | 必要な経験年数 |
|---|---|
| 工業高校の電気専門課程卒業 | 1年以上 |
| 普通高校卒業 | 2年以上 |
| 中学校卒業 | 3年以上 |
講習と検定の申込は会員事業場に所属する人が対象です。会員以外の人も受講や受験の申込はできますが、合否の判定はなく、資格は取得できません。
講習と検定試験の流れ
講習は通信添削で行われます。初級講習の指導書は「電気装備概論編」「電気艤装工事編」「電気工学の基礎編」「電気機器編」の4冊で、6月下旬から事業場に送られます。受講者は添削問題に解答して期日までに提出し、協会の指導技師が採点して返却します。2026年度の講習期間は6月下旬から8月下旬で、講習の申込締切は5月29日でした。
船舶電装士の検定試験は、筆記・実技・口述の3つです。実技はケーブル1本を圧着端子で防水形の小型接続箱に接続する作業で、制限時間は30分です。線端処理、色別テーピングによる識別表示、端子への結線、電線貫通部の防水処理などが確認されます。2026年度の検定は10月から11月に札幌、仙台、東京、大阪、広島、高松、福岡で行う予定で、日程と会場は9月中旬から下旬に事業場を通じて案内されます。試験の前日午後には、指導技師に質問できる学習コーナーが会場に設けられます。
船舶電装士の資格を取った後は、中級の主任船舶電装士を目指せます。主任船舶電装士は、船舶電装士の取得後に2年以上の経験があれば受講・受験できます。船舶電装士を持たずに主任を受ける場合は実技試験が必要ですが、第1種・第2種電気工事士の資格があれば免除されます。
費用と合格状況
受講料と受験料は税込で、会員は受講のみ12,600円、受講と検定試験で18,000円です。非会員はそれぞれ25,200円、30,600円です。指導書の送付後は受講料を返金できません。
協会の発表によると、2025年度の船舶電装士検定試験は76名が受験し69名が合格しました。5種類の検定全体では178名中147名が合格し、合格率は82.6%でした。
取得を目指す人へ
当サイトの提案:まず勤務先が日本船舶電装協会の会員事業場かどうかを確認してください。会員でなければ資格を取得できません。2027年度の受験を考えるなら、2026年度は4月に会員へ送られた募集案内を参考に、次年度の案内を上司と確認し、5月末の講習申込に間に合うよう学歴と経験年数を整理しておきます。実技は接続箱への結線作業なので、職場でがい装電線の端末処理や圧着端子の扱いを先輩に見てもらいながら練習しておくとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。