心理判定員という名称
心理判定員は、試験に合格して取得する資格の名前ではありません。自治体の相談機関で、心理検査や面接、行動の観察を通じて相談者の心理的な状態を評価する職員を指す呼び名です。この仕事に就くには、都道府県や指定都市などの職員として採用され、該当する機関に配属される必要があります。
代表的な配属先の児童相談所では、こども家庭庁の児童相談所運営指針が、この職員を「児童心理司」と呼んでいます。指針は、児童心理司などが心理学的諸検査や面接、観察を通じてこどもの人格全体と家族の心理学的評価を行うことを「心理診断」と定めています。
児童相談所で求められる要件
児童福祉法第12条の3は、児童相談所で心理に関する専門的な知識と技術を必要とする指導を担う所員に、次のいずれかに当たる人を含めることを求めています。
- 精神保健に関して学識経験を有する医師、またはこれに準ずる資格を有する人
- 大学で心理学を専修する学科やこれに相当する課程を修めて卒業した人、またはこれに準ずる資格を有する人
- 公認心理師
運営指針は「これに準ずる資格を有する者」として、大学で心理学を専修し優秀な成績で単位を修得して大学院への入学を認められた人、大学院で心理学を専攻する研究科などを修了した人、外国の大学で心理学を専修して卒業した人を挙げています。
運営指針によると、児童相談所は相談を受けると、児童福祉司などによる社会診断、児童心理司などによる心理診断、医師による医学診断、一時保護中の行動観察による行動診断を行い、担当者の協議で判定と援助方針の案をまとめます。心理判定は、この総合的な判定の一部を担う仕事です。
配置の目安と人数
運営指針は、児童心理司を児童福祉司2人につき1人以上配置することを標準としています。また、児童福祉司と児童心理司がチームを組んで対応できる体制が望ましいとしています。こども家庭庁の資料によると、2025年4月1日時点で全国の児童相談所に児童心理司が3,167人配置されています。児童相談所が受ける相談は、養護、保健、障害、非行、育成などに分類されています。
同じ児童相談所の職員でも、相談と調査を担う所員は児童福祉法により児童福祉司の資格が必要とされ、心理職とは要件が異なります。運営指針は、判定・指導部門の長に医師、児童福祉司、児童心理司など専門技術を持つ人を充てることを求めています。後輩の児童心理司を指導する児童心理司スーパーバイザーには、心理判定や心理療法、カウンセリングで10年程度の経験など相当程度の熟練が求められ、スーパーバイザー研修の受講が望ましいとされています。
障害者の更生相談所での心理判定
知的障害者福祉法は、都道府県に知的障害者更生相談所の設置を義務づけ、18歳以上の知的障害者について医学的、心理学的及び職能的判定を行うと定めています。法律は心理学的判定の担当職員の名称までは定めていないため、職名や応募条件は自治体ごとの採用案内で確認する必要があります。
なり方と当サイトの提案
心理判定員になるための専用の試験はなく、受験料もかかりません。多くの場合、自治体が実施する心理職の職員採用試験に合格し、児童相談所や更生相談所に配属されます。試験の日程、年齢制限、必要な学歴は自治体ごとに異なります。旧記事にあった通信講座や教材、放送大学の費用などの説明は、この職に就く要件とは関係がないため削除しました。
当サイトの提案:まず、働きたい都道府県や指定都市の職員採用ページで、心理職の区分があるか、応募に心理学の学位や公認心理師が必要かを確認してください。大学在学中なら、心理学を専修する課程を修めて卒業することが児童福祉法の要件を満たす近道になります。採用後に配属される機関は自治体の人事で決まるため、説明会などで児童相談所と更生相談所の配属状況を聞いておくと進路を考えやすくなります。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。