溶接管理技術者とは
溶接管理技術者は、鋼構造物の製作などで溶接・接合に関する設計、施工計画、管理を行う技術者の資格です。一般社団法人日本溶接協会が、JIS Z 3410(ISO 14731)とWES 8103に定められた知識と職務能力を評価試験で確かめ、認証します。協会は、この資格がJIS Z 3400「溶接の品質要求事項」で求められる溶接管理技術者に必要な資格であり、建築鉄骨製作工場の性能評価の要件にも挙げられていると説明しています。工場認定や官公庁の工事発注で、認証者の保有や常駐が求められることもあります。
等級は2級、1級、特別級の3つです。2級は簡単な溶接構造物について基礎的な知識と基本的な職務能力を、1級は特定分野での専門的な知識と職務能力を、特別級は溶接製作のすべての任務について包括的な知識と統括的な職務能力を持つことが求められます。
受験条件
受験には、最終学歴または保有している認証に応じた溶接関連の職務経験が必要です。経験年数は溶接技術に関連する職務に専従した期間で数え、連続していなくても合計で必要年数を満たせば申請できます。
| 学歴または認証 | 特別級 | 1級 | 2級 |
|---|---|---|---|
| 理工系大学院修了・理工系大学卒業 | 3年 | 2年 | 1年 |
| 理工系以外の大学院修了・大学卒業 | 6年 | 4年 | 2年 |
| 理工系短大・高専卒業 | 6年 | 4年 | 1年 |
| 理工系各種専門学校・工業高校卒業 | 対象外 | 7年 | 2年 |
| 工業高校以外の高校卒業 | 対象外 | 8年 | 4年 |
| 学歴によらない場合 | 対象外 | 対象外 | 7年 |
| 1級認証者 | 3年 | 対象外 | 対象外 |
| 2級認証者 | 対象外 | 3年 | 対象外 |
溶接専修とみなされる学校の卒業者は、さらに短い年数が適用されます。1級を受けるのに2級を先に取得する必要はありません。経験年数を満たす前でも筆記試験は受けられますが、認証を受けるには筆記試験合格後5年以内に必要年数を満たす必要があります。
評価試験の内容と合格基準
評価試験は書類審査の後、第1次試験(筆記試験)と第2次試験(口述試験)を行い、すべてに合格すると認証されます。試験範囲は、2級が『【新版改訂】溶接・接合技術入門』の全ページ、1級(特別級I)が『新版 溶接・接合技術総論』の1章から4章、特別級IIが同書の全ページで、総論は2026年度から使われています。どちらも溶接学会と日本溶接協会の編集です。
筆記試験の合格基準は、2級が総得点の60%以上、1級(特別級I)が70%以上、特別級IIが70%以上かつ各問題40%以上です。筆記試験は1級が午前10時から12時30分、2級が午後2時から4時30分に行われます。口述試験は2級が約15分、1級と特別級が約20分で、特別級の受験者全員、研修会を受講していない人、筆記試験だけでは適格性を判断できない1級受験者が対象になります。
2026年度後期の日程と費用
2026年度後期の評価試験は、筆記試験が11月8日(日)で、申込は8月24日から10月1日までのWEB申込みでした。通例では、口述試験は筆記試験の27日後の土曜日に行われ、後期の合否通知は12月中旬から下旬、登録申請の期限は1月上旬頃です。前期は6月上旬の日曜日に筆記試験があり、日程は2月上旬頃に告知されます。
| 料金(税込) | 金額 |
|---|---|
| 筆記試験(全等級共通) | 15,400円 |
| 口述試験 | 2級25,300円、1級26,400円、特別級II28,600円 |
| 登録申請料(合格者のみ) | 19,800円 |
口述試験の料金は、対象者が口述試験の直前に支払います。試験に合格しただけでは認証は得られず、期限内に登録申請を済ませた人にだけ適格性証明書が送られます。認証後は定期的なサーベイランス審査があり、認証取得から5年目には再認証審査を受ける必要があります。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:まず表で自分の学歴の行を探し、2級と1級のどちらを受けられるかを確認してください。2級を受ける人は試験範囲の『溶接・接合技術入門』を、1級を受ける人は『溶接・接合技術総論』の1章から4章を手元に用意すると、出題範囲を把握しやすくなります。次回は2027年度前期の案内が2月上旬頃に出る見込みなので、業務経歴を職場ごとに年月で書き出しておくと申請が早く済みます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。