ふぐ処理者の資格とは
厚生労働省は、食べられるフグの種類、部位、漁獲海域を局長通知で定めています。それ以外の部位、たとえば肝臓などの販売や提供は食品衛生法で禁止されています。厚生労働省のページは、フグの毒は塩もみや水さらし、加熱では無毒化されないと注意しています。
こうした危険があるため、ふぐの処理は、有毒部位を確実に除去できると都道府県知事等が認めた「ふぐ処理者」に限って行うことになっています。ここでいう都道府県知事等には、保健所を設置する市の市長と特別区の区長も含まれます。「ふぐ調理師」はこの資格の呼び方の一つで、国が試験を行う国家資格とは異なり、各自治体の条例や要綱に基づいて運用されています。
国の認定基準
厚生労働省は令和元年10月31日に「ふぐ処理者の認定基準について」を通知しました。通知は、認定に必要な講習や試験の要件が自治体ごとに違い、他の自治体の資格の受け入れが進んでいないことや、輸出の際に相手国の理解を得にくいことを背景に挙げています。
通知の主な内容は次のとおりです。
- 実務経験は客観的な評価が難しいため、必要な知識と技術は試験で確認する
- 国の認定基準に基づいて要件を定めた自治体のふぐ処理者は、原則として他の自治体の要件も満たすものとして扱う
- 認定基準には水産食品の衛生に関する知識、ふぐの一般知識などの項目と到達目標を定める
東京都の例:ふぐ取扱責任者試験
東京都では、条例の改正により、これまでの「ふぐ調理師試験」が令和5年4月1日から「ふぐ取扱責任者試験」に変わりました。令和8年度の試験は学科が9月12日、実技が9月14日から18日のうち指定日で、すでに終わっています。都のQ&Aでは、試験は年1回、例年8月から9月頃に行い、願書は5月から6月頃に配布するとしています。
学科試験は90分で、東京都ふぐの取扱い規制条例と施行規則、ふぐに関する一般知識、水産食品の衛生に関する知識から合わせて35問をマークシートで答えます。実技試験は、実物のふぐ5種類の種類名を3分で答える鑑別と、内臓を食べられる部位と食べられない部位に区別する識別、有毒部位を除去してちり材料をつくる処理技術を合わせて18分で行います。受験手数料は19,700円です。
受験資格はありません。以前のふぐ調理師試験で求めていた調理師免許と、ふぐ調理師の下での2年以上の従事経験は不要になりました。未成年者が合格した場合、免許を取得できるのは18歳以降です。
ほかの自治体の例
岐阜県は、岐阜県食品衛生法施行条例でふぐ処理施設の基準を定め、岐阜県ふぐ取扱指導要綱でふぐの適正な取扱いを図っています。県独自の「岐阜県ふぐ処理者試験」も案内しています。ふぐの処理を行う施設は、飲食店営業や魚介類販売業などの営業許可を受けている必要があります。このように、制度の名前、試験の形式、施設側の手続きは自治体によって違います。
受験を考える人へ
当サイトの提案:まず、ふぐを扱う店がある都道府県や市の名前と、その地域での資格の正式名称を確認してください。次に、その自治体の試験が国の認定基準に沿っているか、他の地域で取った資格を受け入れる手続きがあるかを担当課のページで調べます。東京都で受ける場合は、翌年度の願書配布が例年5月から6月頃なので、春のうちに都のページを確認し、実技の作業工程の資料を見ながら練習の機会を確保しておくとよいでしょう。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。