旅程管理主任者とは
旅程管理主任者は、旅行会社が企画して参加者を募集するツアーや、依頼を受けて組み立てる受注型企画旅行に同行し、旅程管理を担当する主任添乗員に求められる資格です。旅行業法第12条の11は、企画旅行に同行して旅程管理業務を行う者のうち主任となる人について、観光庁長官の登録を受けた機関が実施する旅程管理研修の課程を修了し、国土交通省令で定める実務経験を持つことを求めています。
旅程管理業務の中身は、旅行業法施行規則第32条に定めがあります。旅行開始前の予約などの手配、旅行先でサービスを受けるための手続、計画どおりにサービスを受けられなくなったときの代替手配、団体で行動する区間での集合時刻や集合場所の指示がその例です。添乗員は行程の進行と参加者の誘導を、これらの法令上の措置として担っています。
この資格は国が実施する国家試験に合格して得るものではありません。法律に基づく登録研修機関の研修を修了し、実務経験の要件を満たすことで取得する仕組みです。当サイトでは公的資格として扱っています。
国内と総合の2種類
日本添乗サービス協会の案内では、旅程管理主任者には国内のツアーだけに添乗できる国内旅程管理主任者と、国内と海外の両方に添乗できる総合旅程管理主任者の2種類があります。施行規則第33条は、海外の企画旅行に同行する人の実務経験は海外旅行での旅程管理業務に限ると定めており、総合の資格を目指す人は海外ツアーでの実務経験が必要です。
全国旅行業協会が実施しているのは国内旅程管理研修です。日本添乗サービス協会は国内旅程管理研修と総合旅程管理研修の両方を実施しており、すでに国内の資格を持つ人向けに国内科目を免除する総合コースも設けています。
取得までの流れと実務経験
取得の流れは、旅行会社や添乗員派遣会社に所属し、登録研修機関の旅程管理研修を受講して修了テストに合格し、そのうえで実務経験を積むという順番です。実務経験は施行規則第33条により、研修の課程を修了した日の前後1年以内に1回以上、または修了した日から3年以内に2回以上の旅程管理業務に従事した経験とされています。有資格者の指導を受けて旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験も、その地域を目的地とする旅行の経験とみなされます。
日本添乗サービス協会は、実務経験の方法として、実際のツアーへの補助添乗員としての同行、手配旅行への添乗、所属会社の研修ツアーへの参加を挙げています。研修を修了しただけでは主任添乗員として働けない点に注意が必要です。
要件を満たし、旅行会社または添乗員派遣会社に所属している人には、旅程管理業務を行う主任者証が発行されます。日本添乗サービス協会の説明では、主任添乗員として業務を行うときは主任者証を携行し、求められたら提示します。
受講資格と2026年度の研修日程・受講料
旅程管理研修は誰でも申し込める講座とは異なります。全国旅行業協会の受講案内では、旅行業法第6条第1項第1号から第6号に該当しない人のうち、旅行業者等の業務に従事していて会社が証明した人、現に選任されて旅程管理業務を続けている人、これらになる予定で基礎知識があると会社が証明した人、全国通訳案内士または地域通訳案内士が対象です。一般の方は受講できないと明記されています。日本添乗サービス協会も、所属会社の在籍証明書や通訳案内士の登録証の写しの提出を求めています。
| 研修機関 | 研修の種類と受講料(税込) | 2026年度の主な日程 |
|---|---|---|
| 一般社団法人全国旅行業協会 | 国内旅程管理研修 25,600円と事務手数料660円 | 12月1日・2日の2日間。仙台・東京・大阪・広島で開催。申込は9月25日から10月13日まで |
| 一般社団法人日本添乗サービス協会 | 国内旅程管理 27,500円、総合旅程管理 36,700円、総合の国内免除 20,400円 | eラーニングで受講し、会場で修了試験を受験。東京は10月15日と11月27日、名古屋と広島は10月14日、大阪は11月18日、福岡は11月17日、沖縄は11月18日。申込締切は試験日の約10日前 |
全国旅行業協会の研修は2日間で、旅行業法、旅行業約款、国内旅程管理業務の講義のあと修了テストがあります。日本添乗サービス協会のeラーニングの受講時間は、国内が約18時間、総合が約27時間、国内免除の総合が約10時間です。広島と沖縄の会場は国内旅程管理研修のみです。
旅行業務取扱管理者との違い
旅行業務取扱管理者は、旅行業法第11条の2により旅行業者等が営業所ごとに1人以上選任し、その営業所の旅行業務を管理させる管理者です。旅程管理主任者はツアーに同行する主任添乗員のための資格で、役割も取得方法も異なります。全国旅行業協会は、旅程管理研修が旅行業務取扱管理者の定期研修とは別のものであると案内しています。
申込前の確認点
研修の申込には所属会社の証明が必要なため、添乗員を目指す人の多くは旅行会社や添乗員派遣会社に所属してから研修を受けることになります。研修の申込締切は会場ごとに異なり、全国旅行業協会の研修は受講申込者が10名に満たない会場で開催しないことがあります。
当サイトの提案:まず国内のツアーだけを担当するのか、海外のツアーも担当したいのかを決め、国内か総合かを選んでください。次に所属先の会社に、在籍証明の発行と研修修了後の実務経験の機会を用意してもらえるかを確認します。そのうえで研修機関の最新の日程と締切を確認し、修了日から1年以内または3年以内に実務経験を積めるよう予定を組むと、研修だけが終わって資格要件を満たせない事態を避けられます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。