事業用操縦士で操縦できる範囲
航空機に乗り組んで操縦などの業務を行うには、国土交通大臣の航空従事者技能証明が必要です。航空法第24条は技能証明を13の資格に分けており、事業用操縦士はその1つです。航空法の別表では、事業用操縦士ができる行為を次のように定めています。
- 自家用操縦士ができる行為
- 報酬を受けて、無償の運航を行う航空機を操縦すること
- 航空機使用事業の用に供する航空機を操縦すること
- 航空運送事業の航空機を、機長以外の操縦者として操縦すること
- 航空運送事業の航空機のうち、構造上1人で操縦できるものを機長として操縦すること
自家用操縦士は、報酬を受けずに無償の運航を行う航空機しか操縦できません。仕事として操縦する場合は、少なくとも事業用操縦士が必要になります。2人の操縦者を要する旅客機の機長を務めるには、定期運送用操縦士の資格が別に必要です。技能証明は飛行機・回転翼航空機・滑空機・飛行船という航空機の種類ごとに限定され、実地試験に使った航空機の等級でも限定されます。
受験に必要な年齢と飛行経歴
航空法施行規則第43条により、事業用操縦士の技能証明は18歳以上でなければ受けられません。飛行経歴は施行規則の別表第二で、航空機の種類ごとに決められています。主な区分は次のとおりです。
| 種類 | 主な飛行経歴 |
|---|---|
| 飛行機 | 総飛行時間200時間以上。うち機長として100時間以上、540km以上で2回以上の生地着陸を含む機長の野外飛行20時間以上、機長として5回以上の離着陸を含む夜間飛行5時間以上、計器飛行10時間以上 |
| 回転翼航空機 | 総飛行時間150時間以上。うち機長として35時間以上、300km以上の機長の野外飛行10時間以上、夜間飛行5時間以上、計器飛行10時間以上、オートローテーションによる着陸 |
独立行政法人航空大学校や国土交通大臣が指定した航空従事者養成施設で訓練を受けた場合は、飛行機で150時間以上、回転翼航空機で100時間以上の飛行訓練で足ります。模擬飛行装置の時間を一定の範囲で算入できる規定もあります。年齢と飛行経歴は、実地試験を申請するまでに満たしておく必要があります。
学科試験の科目とCBT方式
飛行機・回転翼航空機・飛行船の学科試験は、航空工学、航空気象、空中航法、航空通信、航空法規の5科目です。2023年11月期からCBT方式に変わり、各科目40分でパソコンを使って解答します。試験は年6回、奇数月を中心に10日程度の期間で行われ、全国約260会場から日時と会場を選べます。
申込みは2段階です。最初にCBT事業者のサイトで会場と科目を予約し、次に第19号様式の申請書を東京航空局または大阪航空局へ提出します。CBTの予約だけで受験しても、正式な学科試験として扱われず結果通知書は届きません。国の手数料は5,600円で、これとは別にCBTの配信費用が1科目1,500円かかります。5科目すべて受ける場合の配信費用は7,500円です。
一部の科目だけ合格した場合は、最初の結果通知から1年以内の学科試験に限り、合格した科目が免除されます。ほかの技能証明を持っている人は、同等以上と認められた科目の免除を申請できます。
実地試験と技能証明の交付
学科試験に合格した人は、合格通知の日から2年以内に実地試験を受けられます。飛行機の実地試験では、運航に必要な知識、飛行前作業、離着陸、計器による飛行、空中操作、野外飛行などが審査されます。実地試験の手数料は、飛行機・回転翼航空機・飛行船で56,500円です。
操縦士として航空機に乗り組むには、技能証明のほかに航空身体検査証明が必要です。事業用操縦士は第一種の基準が適用され、有効期間は原則1年です。旅客を運ぶ航空運送事業で1人で操縦する場合などは、年齢によって6か月に短くなります。
2026年度の残りの学科試験日程
2026年10月3日時点で申込みができる学科試験は、次の日程で予定されています。航空局は日程を変更することがあるとしているので、試験期ごとの案内を確認してください。
| 試験期 | CBT会場予約 | 航空局への申請 | 試験期間 |
|---|---|---|---|
| 2026年11月期 | 9月29日〜10月22日 | 10月14日〜10月22日 | 11月5日〜11月14日 |
| 2027年1月期 | 2026年11月20日〜12月15日 | 12月8日〜12月15日 | 1月6日〜1月16日 |
| 2027年3月期 | 1月21日〜2月16日 | 2月8日〜2月16日 | 3月2日〜3月11日 |
受験を考えている人が確認したいこと
当サイトの提案:最初に、飛行機と回転翼航空機のどちらで資格を取るかを決めてください。次に、航空大学校や指定養成施設の課程を使うのか、自分で飛行時間を積むのかを選びます。この選択で必要な飛行時間が変わり、実地試験の一部免除も受けられる場合があります。学科試験は訓練の早い段階から受けられますが、合格の有効期間が2年なので、実地試験までの訓練計画と合わせて受験時期を決めてください。航空身体検査は第一種の基準を満たす必要があるため、訓練を始める前に指定医で検査を受けておくと安心です。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。