航空機関士の業務範囲
航空機関士は、航空法第24条が定める航空従事者技能証明の資格です。航空法の別表は、業務範囲を航空機に乗り組んで発動機と機体を取り扱うことと定め、操縦装置の操作は除いています。技能証明は飛行機または回転翼航空機という航空機の種類ごとに限定されます。
技能証明を受けるための経歴には、航空機関士を必要とする航空機に乗って業務の実地練習を行うことが含まれます。そのため、航空機関士を乗務させる航空機を運用する事業者で訓練を受けることが前提になります。現在どの事業者がそうした航空機を運用しているかは、一次資料で確認できていません。
受験に必要な年齢と経歴
航空法施行規則第43条により、航空機関士の技能証明は18歳以上でなければ受けられません。施行規則の別表第二は、経歴を次のように定めています。
- 航空機関士を必要とする航空機に乗って、航空機関士の業務の実地練習を100時間以上行ったこと
- 模擬飛行装置を国土交通大臣の指定する方式で操作した時間は、50時間まで差し引ける
- 1年以上の航空機の整備経験があり、その中に受験する航空機と同等以上のものについて6か月以上の経験を含む場合は、実地練習50時間以上で足りる
経歴は、使用者や指導者などから、そのつど証明を受けておく必要があります。
学科試験は9科目
旧記事では学科試験を8科目としていましたが、施行規則の別表第三が定める学科試験の科目は9つです。
| 番号 | 科目 |
|---|---|
| 1 | 飛行と航空力学の理論、重心位置の計算 |
| 2 | 機体の強度・構造・性能・整備 |
| 3 | 発動機・発動機補機・プロペラの構造と整備、航空燃料と潤滑油 |
| 4 | 航空機装備品の構造・性能・整備 |
| 5 | 飛行中の発動機・プロペラ・装備品の制御 |
| 6 | 航法の簡略な概要、人間の能力と限界 |
| 7 | 航空気象の簡略な概要 |
| 8 | 航空通信の概要 |
| 9 | 国内航空法規、国際航空法規の概要 |
実地試験は4科目
実地試験の科目は4つで、旧記事の5項目という説明は誤りです。1つ目は機体・発動機・プロペラなどの取扱いと検査の方法、2つ目は搭載重量の配分と重心位置の計算です。3つ目は気象条件や運航計画に基づく発動機出力の制御と燃料消費量の計算、4つ目は故障や発動機の部分的故障の際にとるべき処置です。学科試験に合格した人は、合格通知の日から2年以内に実地試験を受けられます。
2026年度の日程と手数料
航空機関士の学科試験はCBTの対象外で、2026年度は7月期と3月期の年2回、東京会場で行われます。7月期は7月26日に実施され、次の2027年3月期は3月7日に予定されています。受験するには、東京航空局への学科試験申請とは別に、CBT化しない資格の学科試験実施依頼書を試験予定日の約2か月前を目安に航空局安全政策課へ提出します。
手数料は、学科試験が5,600円、実地試験が52,300円です。航空機関士は航空機に乗り組むので、技能証明とは別に航空身体検査証明が必要です。第一種または第二種の基準が適用され、有効期間は1年です。
受験前に確認したいこと
当サイトの提案:航空機関士は、実地練習を行える航空機と訓練環境がなければ経歴を満たせません。最初に、勤務先または就職を希望する事業者に、航空機関士を乗務させる機材と訓練課程があるかを確認してください。整備経験がある人は実地練習の時間が50時間に短縮されるので、整備記録を証明できる形で残しておくと有利です。学科試験は年2回なので、実施依頼書の提出時期を逆算して受験する試験期を決めてください。
参照資料と確認日
2026年10月3日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。