普及指導員の仕事と法律上の位置づけ
普及指導員は、農業改良助長法第8条に基づいて都道府県が置く職員です。法律では、試験研究機関や市町村、農業団体などと連絡をとりながら専門事項や普及指導の方法を調査研究することと、巡回指導、相談、農場展示、講習会などで直接農業者に接し、農業経営や農村生活の改善に関する科学的技術と知識を普及指導することが、普及指導員の事務とされています。
同法第9条は、普及指導員資格試験に合格した者などでなければ普及指導員に任用されないと定めています。資格試験は、都道府県の職員として普及指導員に任用されるための要件です。合格しただけで普及指導員の職に就くわけではなく、都道府県での任用が別に必要になります。
受験資格となる実務経験
受験には、次のいずれかの職務に従事した実務経験が必要です。
- 国、地方公共団体または法人の試験研究機関での農業または家政に関する試験研究
- 高等学校またはこれと同等以上の教育機関での農業または家政に関する教育
- 国、地方公共団体または法人での農業または家政に関する技術の普及指導
必要な期間は学歴に応じて通算で、大学院修士課程修了が2年、大学等卒業が4年、短期大学等卒業が6年、高等学校卒業等が10年です。農林水産省は「実務経験に該当しない業務の例示」も公開しており、判断が難しい場合は試験事務局に問い合わせるよう案内しています。
試験の方法
試験は書類審査、筆記試験、口述試験で構成されます。書類審査では、提出した業績報告書の実務経験が普及指導活動に必要な技能を身につけられるものかを判定します。筆記試験は、農業概論を問う審査課題ア、作物・園芸・畜産・土壌及び肥料・植物保護・労働機械及び農作業・地域計画・流通及び加工・経営管理から1項目を選ぶ審査課題イ、普及指導計画や指導手法の企画立案能力を問う審査課題ウの3つです。口述試験は書類審査と筆記試験の合格者に面接で行います。受験手数料は徴収されません。
令和8年の日程と過去の結果
| 手続き | 令和8年の日程 |
|---|---|
| 受験願書の受付 | 5月7日〜6月3日(終了) |
| 筆記試験 | 8月18日〜19日 |
| 書類審査・筆記試験の合否通知 | 11月上旬 |
| 口述試験 | 11月24日〜27日のうち通知された1日 |
| 合格発表 | 口述試験後1か月以内に受験番号を公表。通知は12月14日前後に発送予定 |
試験地は札幌市、仙台市、さいたま市、金沢市、名古屋市、京都市、岡山市、熊本市、那覇市の中から通知されます。願書は郵送、持参、パスワード付きファイルのメール送付で提出できます。令和7年の試験は出願者925人、受験者900人、合格者570人で、合格率は63.3%でした。
願書の提出書類
受験願書には、表紙、別記様式の受験願書、写真、施行規則で定める業績報告書などの書類を添えます。写真は筆記試験日前6か月以内に撮影した縦45mm×横35mmのもので、メールで提出する場合は縦560×横420ピクセルの画像データにします。過去5年以内に受験したことがある人は、添付書類の一部を省略できます。旧制度の改良普及員資格試験などに合格している人は、その合格証書の写しなども提出します。
農林水産省のページでは、願書作成のチェックリスト、筆記試験の採点結果の開示請求、合格証書の再交付手続きの案内も公開されています。
受験を考えている人へ
当サイトの提案:まず自分の学歴と職歴から、必要年数を満たす時期を計算してください。次に「実務経験に該当しない業務の例示」と照らし合わせ、業績報告書に書ける業務を整理します。農林水産省のページには過去の筆記試験問題が年度別に掲載されているので、審査課題イの選択項目を決めてから過去問題を確認し、翌年5月の願書受付に備える順番がよいでしょう。都道府県職員でない人は、合格後の任用の見込みを志望先の採用情報で確かめておくことも大切です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。