水産業普及指導員と資格試験の位置づけ
水産業普及指導員は、都道府県が行う水産業改良普及事業で、漁業者などに技術や知識を広め、指導する職員です。水産庁の資格試験情報ページは、この試験を都道府県の職員が水産業普及指導員の資格を得るための試験と説明し、都道府県職員以外も受験できるが合格しても水産業普及指導員にはなれないと明記しています。
令和8年度の受験案内によると、試験は水産関係地方公共団体交付金等交付等要綱(令和4年3月29日付け農林水産事務次官依命通知)にもとづいて農林水産大臣が行う国家試験です。林業普及指導員のように法律の条文で試験が定められているのではなく、交付等要綱の別表にある試験実施要領に沿って行われる点が特徴です。受験手数料は徴収されません。
試験の三段階
試験は書類審査、筆記試験、口述試験で構成されます。書類審査では、受験願書と一緒に出す業績報告書と、受験票とともに交付される審査課題への報告書をもとに、普及指導活動に必要な技能があるかが判定されます。令和8年度の審査課題報告書の締切は10月15日です。
筆記試験の共通問題は択一式で、水産技術と周辺分野の基礎知識や国の施策に関する知見を問います。選択問題は、水産養殖、資源増殖・管理、漁具・漁法、利用加工、水産経営の5分野から受験時に1分野を選び、択一式、記述式またはその併用で答えます。口述試験は面接で、経験と課題解決能力、普及事業への意欲や考え方、審査課題報告書の考え方、会話能力や情報伝達能力が判定されます。令和6年度か令和7年度に書類審査の基準を満たしたうえで筆記と口述を辞退した人は、書類審査が免除されます。
令和8年度の日程
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 願書受付 | 8月31日〜9月17日(簡易書留で郵送、当日消印有効。受付は終了) |
| 受験票・審査課題の発送 | 9月下旬予定 |
| 審査課題報告書の締切 | 10月15日 |
| 筆記試験 | 12月3日(東京都特別区) |
| 口述試験 | 12月4日(東京都特別区) |
| 合格発表 | 口述試験の実施後1か月以内 |
受験資格
受験には、試験研究機関での水産業の試験研究、教育機関での水産業の教育、国・地方公共団体・漁業協同組合などでの水産業の技術の普及指導のいずれかに従事した経験が必要です。年数は筆記試験日までの通算で、水産業・生物・化学・食品製造・機械・経済などの正規の課程を修めた大学または水産大学校の卒業者は2年以上、短大・高専の卒業者は4年以上、高校卒業または高卒認定合格者は6年以上です。水産高校で国語を教えた期間や、指導を伴わない事務作業の期間は該当しない例として示されています。
提出書類の注意点
令和8年度の受験案内では、全員が受験願書、業績報告書、最終学歴の卒業証明書など(受験の年度に発行されたもの)を出します。願書には縦45mm・横35mmの写真を貼り、業績報告書の職務期間は卒業日から筆記試験日までを満月数で記入します。所属長の証明は、都道府県本庁の職員は主管課長、出先機関の職員は機関の長、漁業協同組合などの職員は団体の長から受けます。外国の学校を卒業した人や外国の機関で勤務した人は、受験手続の前に農林水産大臣の認定を受ける必要があります。
受験者数と合格者数
水産庁の資料では、令和7年度の受験者97人のうち合格者は89人で、合格率は91.8%でした。令和2年度以降の合格率は91.8%から97.1%の間で推移しています。受験者の所属別の内訳は、今回確認した水産庁の資料には示されていません。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 86人 | 80人 | 93.0% |
| 令和5年度 | 94人 | 87人 | 92.6% |
| 令和6年度 | 94人 | 90人 | 95.7% |
| 令和7年度 | 97人 | 89人 | 91.8% |
準備の進め方
水産庁のページでは令和3年度から令和7年度までの試験問題が公開されています。解答は試験当時のもので、問題や解答への問い合わせには応じないとされています。
当サイトの提案:翌年度に受験する人は、まず業績報告書に書ける職務を所属先の担当課・係名とあわせて書き出し、受験資格の年数を満月数で数えておいてください。次に、自分の業務に近い選択分野を5分野から決め、公開されている過去5年分の問題を分野別に解くと出題の範囲がつかめます。願書の受付期間は令和8年度で約3週間と短いので、8月下旬から水産庁のページを確認すると安心です。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。