「自主検査者」が指すもの
「自主検査者」という名称の免許や国家試験は、労働安全衛生法令には見当たりません。この記事では、労働安全衛生法第45条の定期自主検査と、そのうち資格者が行う特定自主検査を担当する人について説明します。
以前この記事には、自動車の車検に関する検査の業務や試験対策が書かれていました。今回確認した労働安全衛生法令の自主検査とは別の話題のため、その内容は削除しました。自動車の検査に関わる職種を調べている場合は、その制度の公式案内を確認してください。
定期自主検査と特定自主検査
労働安全衛生法第45条第1項は、事業者がボイラーその他の機械等で政令で定めるものについて、定期に自主検査を行い、その結果を記録しておかなければならないと定めています。対象の機械は施行令第15条第1項に並んでおり、動力プレス、動力シャー、遠心機械、化学設備、乾燥設備、局所排気装置などのほか、フォークリフト、車両系建設機械、ショベルローダー、ストラドルキャリヤー、不整地運搬車、作業床の高さ2メートル以上の高所作業車なども含まれます。
同条第2項は、このうち政令で定める機械の自主検査を「特定自主検査」とし、資格を持つ人が行うよう求めています。施行令第15条第2項によると、特定自主検査の対象は、フォークリフト、別表第七の車両系建設機械、不整地運搬車、作業床の高さ2メートル以上の高所作業車、動力により駆動されるプレス機械です。
特定自主検査を行える人
労働安全衛生法第45条第2項は、特定自主検査の実施者を次の3通りに限っています。
- 事業者本人(法人の場合は代表者または役員)で、厚生労働省令で定める資格を持つ人
- 事業者が使用する労働者で、同じ資格を持つ人
- 登録を受けて、他人の求めに応じて特定自主検査を行う検査業者
資格の中身は機械ごとに規則で決まっています。フォークリフトについては労働安全衛生規則第151条の24第2項が、次のいずれかに当てはまり、厚生労働大臣が定める研修を修了した人を挙げています。大学・高等専門学校の工学系学科の卒業者は点検・整備の業務2年以上か設計・工作の業務5年以上、高等学校・中等教育学校の工学系学科の卒業者は点検・整備4年以上か設計・工作7年以上、学歴を問わない場合は点検・整備7年以上か設計・工作10年以上、あるいはフォークリフトの運転の業務10年以上です。このほか厚生労働大臣が定める人も含まれます。
車両系建設機械については、第169条の2がこのフォークリフトの規定を準用し、別表第七の第1号・第2号・第6号、第3号、第4号、第5号の区分ごとに読み替えています。つまり、検査者の資格は機械の区分ごとに取得する形です。
検査の実施と記録
特定自主検査は、厚生労働大臣の定める基準に従って行わなければなりません(法第45条第3項)。フォークリフトの場合、自主検査を行ったときは、特定自主検査を行った年月が分かる検査標章を見やすい箇所に貼ります。検査業者に実施させた場合、記録には検査を実施した者の氏名に代えて検査業者の名称を記載します。
特定自主検査以外の定期自主検査について、厚生労働大臣は自主検査指針を公表するとされています(同条第4項)。局所排気装置などの検査を担当する場合は、その機械の規則と指針を確認する必要があります。
検査者を目指す人へ
当サイトの提案:まず、担当したい機械がフォークリフト、車両系建設機械のどの区分、不整地運搬車、高所作業車、動力プレスのどれに当たるかを決めてください。次に、自分の学歴と点検・整備や運転の経験年数を数え、その機械の規則が定める年数を満たすかを確認します。そのうえで、厚生労働大臣が定める研修の実施機関と日程を、所轄の労働基準監督署や業界団体の公式案内で確認すると、受講までの見通しが立ちます。
参照資料と確認日
2026年10月4日確認。年度を記載した日程・手数料は、その年度の公式案内に基づきます。